7年の歳月の果てに 『チェンジリング』
タイトルの「チェンジリング」は取り換えられた子供
1920年代のロサンゼルスの腐敗した警察組織に立ち向かったシングルマザーの実話の映画化です。
子供が消えてから7年間の戦いが描かれています。
チェンジリング CHANGELING 2008年 142分 あらすじ: 1928年、シングルマザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)は、ロサンゼルス郊外で8歳の息子ウォルター(ガトリン・グリフィス)と暮らしていた。ある土曜日、彼女は同僚に泣きつかれて断り切れずに休日を返上して仕事へと向かう。暗くなって彼女が帰宅すると、家で一人で留守番をしているはずの息子の姿はどこにもなかった。(シネマトゥデイ)
まず、実話であることに驚きを感じます。
保身とイメージアップのためだけに行方不明の少年の替え玉を作る警察
当然母親がだまされる訳もないのですが、弱者の言葉は権力でひねりつぶそうとします。
母親の言葉が力を持ち始めた途端、精神病院へ強制入院。
警察に逆らったためだけで入院させられている人が多数いるその病院は
「カッコーの巣の上で」を思い出させます。
一体、彼女の本当の息子はどこに?
サスペンスとしても、人間ドラマとしてもしっかりとした映画です。
イーストウッド監督らしい余計な装飾も無駄もない142分でした。
アンジェリーナ・ジョリーは息子を失うかもしれないという恐怖と闘いながらも、
決してあきらめない母親を見事に演じてます。
彼女を助ける牧師役のジョン・マルコビッチも抑えた演技でした。
イメージが全く違うので最初気づきませんでしたが重要な役どころです。
ジェイソン・バトラー・ハーナーは不気味でしたね。
ある日突然最愛の子供が居なくなる。
私たちの国には彼女と同じ思いをしてる方々がいらっしゃいますね。
必死に息子を探す彼女を見ていると、拉致被害者の方々を思い出さずにはいられませんでした。