『12人の怒れる男』 浮き彫りになる現代ロシア

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シドニー・ルメットの名作『十二人の怒れる男』のロシア版リメイク

昨年のアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされています。

  12人の怒れる男   12   2007年 ロシア制作 160分

あらすじ: ロシア人将校である継父を殺害した容疑にかけられたチェチェン人少年の裁判が開始。
隣人の目撃証言や物的証拠などから、当初は明らかに有罪だと思われていた事件だったが、
いくつか腑に落ちない点があった一人の陪審員(セルゲイ・マコヴェツキー)が、
ほかの陪審員に疑問を投げ、審議は二転三転し始める。(シネマトゥデイ

オリジナルの『十二人の怒れる男』を見たのはずいぶん前ですが、

12人の陪審員の中でヘンリー・フォンダ1人が無罪を主張し、

残り11人に真っ向から対決するドラマは見ごたえたっぷりで強烈に印象に残ってます。

自分が彼の立場だったら、ここまで根気強く主張出来るだろうかと考えてしまいました。


日本でもこの映画をモチーフにした三谷幸喜の舞台劇が、

12人の優しい日本人』として映画化されてますよね。

こちらはコメディのようですが(実は見てない^^;)


本作も11人VS1人の構図は一緒ですが、

圧倒的にヘンリー・フォンダの印象が強いオリジナルに比べて、

陪審員はそれぞれユニークな個性があります。

彼らが話し合いを進める中で、個人個人の心情を吐き出す中に、

今のロシアの現状や問題が見えてくるのが上手いですね。

オリジナルでクライマックスになっているシーンの後にももう一捻りあり、

新たな問題をこちらに投げかけてきます。

硬派なイメージのオリジナルに負けない骨太な社会派ドラマになっています。


ただ、オリジナルを知っているとある程度の展開はわかるので、どおしても先走ってしまい、

160分が長く感じてしまいました。

あと、最後に犬がくわえていたものが誰のものなのか、私にはわかりませんでした。


日本でも裁判員制度が始まります。

この映画を見て参考にするのも良いかも。