実はドキュメンタリー 『戦場でワルツを』

2009年アカデミー外国語映画賞ノミネート作品
 
アカデミー賞は『おくりびと』が取りましたが、ゴールデングローブ賞を受賞しています。
 
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                   VALS IM BASHIR/WALTZ WITH BASHIR    2008年イスラエル/仏/独/米 90分
 
あらすじ: 2006年冬、友人のボアズがアリに対して、毎夜みる悪夢に悩まされていると打ち明けた。ボアズは、それがレバノン侵攻の後遺症だという。しかし、アリの記憶からは、レバノンでの出来事が抜け落ちていた。記憶から失われた過去を取り戻すために、アリは世界中に散らばる戦友たちに会いにいく。
 
 
冒頭からとても印象的で
 
これから何が起こるんだろうかと引き込まれました。
 
元兵士であったアリ・フォルマン監督の自身の経験を基に製作した自伝的なドキュメンタリー・アニメーション
 
友人が話す内容を自分が全く覚えていないことに疑問を持った主人公が
 
記憶を取り戻すためにかつての戦友を尋ね歩くのですが、
 
戦友たちもまた同じように記憶が抜け落ちていて・・・・・
 
 
人物と背景のアニメーションが別なので、無表情でも存在感があります。
 
リアリティも十分で、アニメーションの手法だけでも一見の価値あり。
 
手法だけ頼にってるわけではなく、構成もしっかりしているので、
 
そっくりそのまま実写化してもきちんとした映画が出来そうですが、
 
内容が1982年にレバノンで起こったパレスチナ難民大虐殺という、
 
かなり生々しいものなので、アニメーションという手法で良かったのかも。
 
薄れてはいるものの、これが現実だということは、
 
最後にしっかりわからせてくれます。
 
戦争について直接的に描いてないところが、
 
ちょっと『ハート・ロッカー』を思い出しました。
 
 
この前年度ノミネートのイスラエル制作の映画
 
『ボーフォート -レバノンからの撤退- 』
 
と見比べてみるのも良い気がします。