『ブリッジ・オブ・スパイ』 壁を越えるために


年明けて、早や半月経過。
007もスター・ウォーズももう1回行く予定が、何かと映画も観そびれていて、
この映画が新年第1作目劇場鑑賞となりました。

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BRIDGE OF SPIES  2015年 142分

あらすじ
:米ソ冷戦下の1957年、ニューヨーク。ルドルフ・アベルという男がスパイ容疑で逮捕される。国選弁護人として彼の弁護を引き受けたのは、保険を専門に扱う弁護士ジェームズ・ドノヴァン。ソ連のスパイを弁護したことでアメリカ国民の非難を一身に浴びるドノヴァンだったが、弁護士としての職責をまっとうし、死刑を回避することに成功する。5年後、アメリカの偵察機ソ連領空で撃墜され、アメリカ人パイロットのパワーズがスパイとして拘束されてしまう。アメリカ政府はパワーズを救い出すためにアベルとの交換を計画、その大事な交渉役として白羽の矢を立てたのは、軍人でも政治家でもない一民間人のドノヴァンだった。交渉場所は、まさに壁が築かれようとしていた敵地の東ベルリン。身の安全は誰にも保証してもらえない極秘任務に戸惑いつつも、腹をくくって危険な交渉へと臨むドノヴァンだったが…。(allcinemaより)



最近硬い映画はちょっと億劫になっていたのですが、
マーク・ライランスのあまりの評価の高さに観てみたくなりました。

実話ベースのお話。
冷戦下で民間人の弁護士が、スパイ交換の交渉役という一歩間違えれば自らの命はおろか、世界平和さえ崩壊させかねない極秘任務を託され、弁護士としての矜持と信念を支えに、絶体絶命の難局に立ち向かっていく姿をスリリングに描く。

保険担当の敏腕弁護士ドノヴァンにトム・ハンクス、大げさすぎない安定した演技。
ソ連のスパイ、アベルマーク・ライランス、表情もセリフも多くはないのに、冷静さの中に見せるユーモアが良い味を出しています。
他にアラン・アルダエイミー・ライアンセバスチャン・コッホなど。
脚本はコーエン兄弟、監督はスティーヴン・スピルバーグ
第88回アカデミー賞作品賞脚本賞含め5部門ノミネート、
マーク・ライランス助演男優賞にノミネートされています。

2時間半近い尺が、全く気になりませんでしたね。
もっと重い社会ドラマかと思っていたら、サスペンス度が高いのでハラハラしているうちに終わっちゃいました。ところどころユーモラスなシーンも。
トム・ハンクスは良い意味でシリアスになりすぎないキャラだし、マーク・ライランスが"Would it help?"(それが役に立つか?)という度につい吹き出していました。
まさにベルリンの壁を作り始めた頃の時代背景も興味深く、アメリカ、ソ連東ドイツ、それぞれの思惑や主張、駆け引き、政府のいい加減さ・身勝手さ、ドノヴァンとアベルの友情など、歴史の一面を見る面白さとエンタメ性がちょうどいいバランスで、監督・脚本・役者がぴったりマッチした作品だったと思います。
硬そうと思っている方、それほどでもないので、ぜひ!