『ヘイトフル・エイト』 後半は怒涛の展開だけど


クエンティン・タランティーノの8作目の監督映画『ヘイトフル・エイト』を
公開初日のレイトショーで鑑賞。
70ミリフィルム「ウルトラ・パナビジョン70」で撮影、70ミリの映写機を使って序曲と休憩、プログラムをつけたロードショー形式で、本国アメリカでは100館で上映したそうですが、日本では上映できる環境がないため短縮版になったとか。
それでも168分あるんですけどね(^_^;)

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THE HATEFUL EIGHT 2015年 168分

あらすじ:
南北戦争後のワイオミング。雪の中を走る1台の駅馬車。乗っているのは賞金稼ぎのジョン・ルースと手錠をはめられた賞金首の女デイジー・ドメルグ。そこへ、馬が倒れて立ち往生していた元騎兵隊の賞金稼ぎマーキス・ウォーレンが、お尋ね者3人の死体と共に乗り込んでくる。共にレッドロックを目指す一行は猛吹雪を避け、道中にあるミニーの紳士洋品店に立ち寄ることに。そしてその途中でもう一人、レッドロックの新任保安官だというクリス・マニックスを拾う。ようやく辿り着いたミニーの店にミニーの姿はなく、見知らぬメキシコ人のボブが店番をしていた。そんな店には他に、絞首刑執行人のオズワルド・モブレー、カウボーイのジョー・ゲージ、南軍の元将軍サンディ・スミザーズという3人の先客がいた。一見、まるで無関係な8人は、ひょんな成り行きから、この店で一晩を一緒に過ごすハメになるのだったが…。(allcinemaより)


本年度アカデミー賞助演女優賞、撮影賞、作曲賞ノミネート。ゴールデン・グローブなどでエンニオ・モリコーネは既に音楽賞受賞。ウォーク・オブ・フェイムにも名前が刻まれましたね。

西部劇でありながら密室殺人ミステリー。
吹雪のため、たまたま1軒の店で一緒に一晩過ごす羽目になった8人。偶然居合わせたはずのメンバーであったはずが、それぞれの素性が明かされると、因縁の因果関係が明らかに。白人vs黒人、北軍vs南軍、賞金首vs絞首刑執行人などの謂わば敵同士が一つ屋根の下で繰り広げる舌戦と壮絶な騙し合い。

嫌われ者8人のキャスト、賞金稼ぎの”首吊り”ジョン・ルースカート・ラッセル、賞金首のデイジー・ドメルグにジェニファー・ジェイソン・リー、元騎兵隊の賞金稼ぎマーキス・ウォーレンにサミュエル・L・ジャクソン、レッドロックの新保安官クリス・マニックスに『エージェント・ウルトラ』のウォルトン・ゴギンズ、メキシコ人ボブに『明日を継ぐために』のデミアン・ビチル、絞首刑執行人のオズワルド・モブレーにティム・ロス、カウボーイのジョン・ゲージにマイケル・マドセン、元南軍の将軍サンディ・スミザーズにブルース・ダーン
その他ジェームズ・バークス、ゾーイ・ベルチャニング・テイタムなど。
監督・脚本はクエンティン・タランティーノ。製作はボブ&ハーヴェイ・ワインスタイン、音楽はエンニオ・モリコーネ美術監督キルビル以来となる種田陽平

外は猛吹雪で密室となった一軒家、高額の賞金首の女をめぐり互いの探り合いが終わった途端始まる結末に向けての怒涛の展開。予想通り血みどろの殺戮が始まり、『レザボア・ドッグズ』のセルフ・パロディかと思いました。ティム・ロスマイケル・マドセンが居るので特に。( ̄▽ ̄)
この後半のミステリーと騙し騙されるのを巧みな台詞回しで進むのはタランティーノの真骨頂ですが、そこへ行き着くまでが長い!前半が長いと感じるのですよ。
前半での素性の説明やら会話の中身が、もちろん後半の伏線になるのですけれど、猛吹雪なんだから早く馬車に乗せてやれよ!とか思っちゃう。( ̄∀ ̄*)イヒッ
私普段は長尺はあまり気にならないタイプなのですが、元々は休憩付きで上映するものだったからか、前半がまどろっこしいですね。
実際、ブルース・ダーン絡みのエピソードは無くても問題ないのでは?と思いました。マーキスがどんな憎むべき人物かを表すエピソードだとは思うけれど、息子にした仕打ちもゲスすぎてあまり好きではないし(-_-;)
後半は一気に展開するので、呆気にとられながら観終わった後は、
まさにタランティーノ映画で面白かったと思うんですけどね。
いつもながら血は満載で女性にも容赦ない18禁。
タランティーノ映画がお好きな方は、嫌われ者の決着のつけ方を、ぜひ劇場で!