『マクベス』 愛と野望と狂気


劇場鑑賞しようか悩んでいましたが、尺もそれほど長くないし、
miskatonic_mgs_bがご覧になられるというので、勢いで観てきました。
意外に劇場向けでしたね。

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MACBETH  2015年英/米/仏 113分

あらすじ:
激しい内戦で荒廃したスコットランド。ダンカン王に忠誠を誓うグラミスの領主マクベスは獅子奮迅の活躍で反乱軍を撃退、戦友バンクォーとともに戦場を後にしようとした時、彼の前に3人の魔女が現われ、マクベススコットランド王になると予言する。やがてマクベスは、夫の王位獲得に執着する夫人からダンカン王暗殺の計画を吹き込まれる。一度は覚悟を決めるも、やはり罪悪感から決行をためらってしまうマクベスだったが…。(allcinemaより)


シェイクスピアの戯曲の四大悲劇の一つ。
学生の頃読んだくらいで、覚えていたのは「女から生まれた者には殺されない」「森が動かない限り負けることはない」というニュアンスのセリフくらい。( ̄∀ ̄*)イヒッ

忠義に熱かった家臣が、魔女の予言を聞き、芽生えた野望から王を暗殺。
王位につくものの自分の罪の意識と王座を追われる恐怖から追い詰められていく。

マクベスマイケル・ファスベンダーマクベス夫人にマリオン・コティヤール
ダンカン王にデヴィッド・シューリス、マクダフにショーン・ハリス、マクダフ夫人にエリザベス・デビッキ、バンクォーにパディ・コンシダインなど。
監督はジャスティン・カーゼル

舞台版も他の映画版も見ていないので比べられないのですが、原作に忠実な作りなのかしら。実際に荒涼なスコットランドの大地や戦闘シーンが生々しく描かれているところで、登場人物の気持ちにより入りやすい気がします。
冒頭の戦いの準備のシーンで、まだ少年の兵士の戦支度を手伝ってやるところなど、兵の数も少なく厳しい戦いに疲れきっているのがすぐに伝わってきます。
シェイクスピアなので、圧倒的に独白セリフが多いのですが、映像面で飽きさせない工夫はされていましたね。
メインの登場人物はそれほど多くなく、顔のアップも多いため演技はじっくり見られました。マイケル・ファスベンダーマリオン・コティヤールの恐怖と狂気の間で揺れ動いている演技も良かったですけど、ショーン・ハリスも『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』の時とは全く違う激しい演技でしたね。
風景描写にも冒頭から引き込まれ、寒々しい風景も綺麗で、特に真っ赤に焼けた空の色が、禍々しいような美しさでした。