バットマンから暗闇の騎士へ 『ダークナイト』

イメージ 1

152分間、ほとんど笑うこともなく固まって、目が放せませんでした。


   ダークナイト  THE DARK KNIGHT  2008年 

ストーリー:ゴッサム・シティーに現れた最悪の犯罪者ジョーカー彼は、マフィアたちに成り代わってバットマンを追い込む“ゲーム”を開始。それは「バットマンが正体を明かさなければ、毎日市民を殺す」という卑劣なルールで、戦いの中ゴードン警部補も凶弾に倒れてしまう。ブルースは遂にバットマンの正体を明かすことを決意。記者会見に登場しようとするが、それを制したのは新任検事で“光の騎士”と慕われるデントの意外な行動だった……。


もう、なんと言うか、ひたすら圧倒されましたね。


ティム・バートン版を見ているので、

ピエロの面をつけた連中が出てきた時、ジョーカーの一味だとすぐ分かりましたが、

スケールとリアリティが全く違います。

前作『ビギンズ』よりも、一段と近代的で明るいゴッサムシティになってます。

ゴードン警部補とハーベイ・デント地方検事が犯罪撲滅に功績を挙げたためです。

そんな中現れたジョーカーは、一気にゴッサムシティを恐怖に陥れ、

ルールが通用しない彼を、マフィアも警察もバットマンでさえも、

なかなか捕まえることが出せません。



次から次へと繰り出されるジョーカーの”ゲーム"に翻弄され、

捜査も後手後手にまわり、悲劇から生まれる新たな敵。

光が強いほど、闇も深いものでした。



とにかく、脚本がよく出来てます。

ジョーカーの仕掛ける巧妙な罠、あちこちに貼られている伏線、

トゥーフェース誕生のドラマティックさ。

そして、この映画のタイトルへといざなわれるラスト。


キャストも予想以上に豪華でした。

前作から引き続きのスケアクロウキリアン・マーフィーはほんのワンシーン。

ウィリアム・フィクトナーなんて勿体無い役でしたが、

これからすごいことが起こるんだと思わせてくれるのに十分でしたね。

マフィアのボスのエリック・ロバーツは、今後こういう役をしていきそうです。

予告から、ただ事ではないと思わせてくれたヒース・レジャーは、やはり凄かった。

あんなに極悪非道なのにどこか憎めず、

オレはお前たちの心の闇の体現だと言わんばかりのジョーカーを熱演。

今までは、ハンサムなのにもうひとつ華がないと思っていたアーロン・エッカート

今回は光り輝いていて、まさに「光の騎士」でした。

こちらの演技も負けてなかったですね。

レイチェル役がマギー・ギレンフォールに代わったのは違和感なかったですね。


監督によって演出は違っても、

バットマンが苦悩するヒーローであることは、以前から一貫しています。

そんな中、クリスチャン・ベールバットマンは、1作ごとに重いものを背負っていきますね。



エンドロールで本作は、ヒースと特殊効果技師のコンウェイ・ウィックリフさんに捧げられていました。

このヒースの後には、誰もジョーカーは出来ないでしょう。

個人的にはやって欲しくない気がします。


次作は、リドラー役にジョニー・デップキャットウーマンにアンジョリーナ・ジョリー

なんて噂されてるみたいですが、どうなんでしょう。



アメコミだからと思って観ないと、勿体無い秀作だと思います。