運命の絆 『ザ・ハリケーン』
デンゼル・ワシントンがアカデミー主演男優賞にノミネート
最終的には国際映画祭で6つの賞を受賞
ザ・ハリケーン THE HURRICANE 1999年 アメリカ制作 145分 解説: デンゼル・ワシントンが実在のボクサーに扮した人間ドラマ。 無実の罪によって30年間も投獄された黒人ボクサー、ハリケーン。 彼がその疑いを晴らすまでの波乱に満ちた半生を、事件経過を織り交ぜながら描いてゆく。 ハリケーンに扮したデンゼルの熱演が秀逸。 ボクサーとしての絶頂期に、いわれのない殺人罪で投獄されたルービン“ハリケーン”カーター。 ある時、彼が獄中で執筆した自伝を読んだ少年レズラは、その背後に人種偏見がある事を知り、彼の釈放運動に立ち上がる。(allcinema ONLINE)
事実と違っている部分も多々あるという論争にもなったようですが、
映画としては興味深く、感動的な話になっています。
少年レズラが古書市でたまたま手に取った1冊の本
その本に感銘を受けた彼はルービンに手紙を送ります。
彼もルービン同様不遇な環境にありましたが、
縁合ってカナダ人のグループに引き取られ、教育を受けるチャンスを与えられていました。
ルービンの無実を信じるレズラ達は、証拠を見つけるために奔走します。
そしてとうとう、再審理へとこぎつけるのです。
脚色されてるとはいえ、ドラマティックな話です。
まったく接点のなかった2人がめぐり合ったのは、運命の絆としか思えません。
その信じがたい話にリアリティを持たせたデンゼル・ワシントンの熱演。
特に、無実の罪で入れられた獄中の独房での自我の葛藤のシーンは、素晴らしいです。
3人での共同生活に、黒人少年を引き取るという自由で主張のある生活。
この3人のバックグラウンドも興味深いのですが、あまり語られていません。
少年たちとルービンとの交流、ルービンの心の変化、再審へ至るまでと
中盤とても盛り上がるのですが、最後は意外にあっさりしていました。
145分でちょっと長めですが、デンゼルの演技は必見です。