家族の絆 『その名にちなんで』

イメージ 1

みなさん絶賛のこの映画、やっと見ました!

  その名にちなんで  THE NAMESAKE  2006年アメリカ・インド制作 122分

あらすじ: 寛容な父アショケ(イルファン・カーン)と思いやりあふれる母アシマ(タブー)の息子として、アメリカで生まれ育ったインド人のゴーゴリカル・ペン)。2つの国の文化、2つの名前に翻弄(ほんろう)されながらも、ロックを聴きアメリカ人のガールフレンドもできた。ある日、その珍しい名前に込めた思いを父親に聞かされ、彼の中で何かが少しずつ変化していく。(シネマトゥデイ

みなさんのおっしゃるとおり、良い映画でした!

この邦題も映画の内容がわかりやすいですね。


列車の中で、旅を勧められた青年アショケはこう答えます。

「本を読むと居ながらにして旅をしてるようなものだ」と祖父に教えられましたと。

次のシーンでは一転して、アショケは2年間NYに住んでいて、花嫁を探すために帰国しています。

お見合いで結ばれたアショケとアシマ、婚礼後すぐアメリカへ。

アシマにとっては体験したことのない寒さに異文化、

それでも優しいアショケに助けられ、いつしか子供も2人でき、幸せに暮らしていました。

しかし、アメリカで生まれた2人の子供はまるっきりアメリカナイズされていて、

アメリカでもインド式の暮らしを続ける両親を愛してはいるものの、ちょっと疎ましくも思っています。

家族を大切にする文化と個人を尊重する文化。

異国で暮らすことで、より深い夫婦の絆を気づいてきた両親。

自分に流れている血と育った文化の中で翻弄される子供たち。

特に長男ゴーゴリは自分の変わった名前を嫌がり改名したいと言い出します。

この名前の由来を謎として引っぱる演出も効果的でした。


青年が夫となり父親になり、その子供が結婚するまでですから、いろんなエピソードがあります。

その時々の親の気持ちも子供の気持ちもよくわかります。

反発しても結局は血に逆らえなかったり、逆に裏切られたり。

それでも家族の絆は切れません。


また、自我の確立を描いた作品でもあります。

息子たちの自我だけではなく、母であるアシマもアメリカでの結婚生活で自分を見つめてきました。

「25年間インドを恋しいと思ってきたけれど、これからはアメリカが恋しくなるでしょう」

帰国を決めた時のアシマの言葉が物語っています。

帰ってから再び習い始めたインドの楽器とともに歌うエンディングがまた良いです。

インド独自の文化も興味深いです。

ゴーゴリの婚礼シーンにアショカたちの婚礼シーンを重ねる映像も、(゜ーÅ)ホロリときます。

号泣はしませんが、何度かやられましたo(TヘTo) クゥ