人間より人間臭い 『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー HELLBOY II: THE GOLDEN ARMY 2008年 119分 あらすじ: 超常現象捜査防衛局“BPRD”のすご腕エージェント、ヘルボーイ(ロン・パールマン)は、念動発火能力者の恋人リズ(セルマ・ブレア)らと組み、怪事件の捜査と魔物退治にあたっていた。一方そのころ、闇の世界では、地上の支配者となった人間を抹殺すべく、王子ヌアダ(ルーク・ゴス)が伝説の最強軍団ゴールデン・アーミーをよみがえらせようとしていて……。(シネマトゥデイ)
アクション中心だった前作に比べて、今作はグッとファンタジー色が強くなりました。
監督の幻想的な世界も更にスケールアップしています。
まず軽く前作『ヘルボーイ』のおさらいから
発見者のブルーム博士に育てられ、60年後にはFBIの秘密兵器、対魔物要員として、
水棲人間のエイブたちと共に地球を救っていました。
戦いの生活の中でも、幼馴染であり念動発火の能力をもつリズへの愛情を抑えられず、
ラスプーチンの復活を阻止するとともに、リズとも結ばれたのでした。
そして今作では、
に寝る前に読んでもらった 妖精族のお話。
『ロード・オブ・ザ・リング』のようなこのお話が現実となり、
無敵のゴールデン・アーミーの復活を止めなければならないヘルボーイたち。
愛を確かめ合ったはずのリズとは、相変わらず喧嘩も絶えません。
そんな中、エイブが妖精族のの王女に恋をしてしまい、彼女を救うためにヌアダ王子の標的となってしまいます。
前作同様アクションだけでなく、恋愛も絡んできます。
リズとうまくいかなくて、やけ酒を飲んで暴れるヘルボーイ。
人間よりよっぽど人間臭いです。
恋に悩むエイブと二人して、バリー・マニロウの歌を口ずさむところなんて傑作です。
猫を可愛がり人を愛し、人を守るために戦っているのに、異形の者だということで恐れられ憎まれ、
彼の自我の葛藤もまだまだ続いています。
主要メンバーは前作から引き続きですが、新しくやってきた上司はエクトプラズムで、エネルギーの塊。
変わったクリーチャーも今回はたくさん登場し、
幻想的で壮大なギレルモワールド全開でした。
前回の敵の目的は世界征服だったのですが、
今回のヌアダ王子は人類の欲に我慢できずに兵を復活させようとするあたり、
環境問題などへの警告も入っているようないないような~。