なんとも重苦しい 『アンダーカヴァー』
アンダーカヴァー WE OWN THE NIGHT 2007年 117分 あらすじ: 名門警察一家に生まれながら、家族に背を向け、マフィアが経営する人気クラブのマネージャーとして生きる弟ボビー(ホアキン・フェニックス)。父(ロバート・デュヴァル)の後を継ぎ、エリートコースを歩む警察官の兄ジョセフ(マーク・ウォールバーグ)は、そんな弟に対し、マフィアを裏切って潜入捜査に協力するよう持ちかけるが……。(シネマトゥデイ)
オープニング、モノクロの警官の捜査時の写真から、
この映画がとてもシリアスでリアルなものだろうなと予想できます。
そして警官の制服の腕章の文字、
原題の「WE OWN THE NIGHT」は1980年代のNYPDの犯罪捜査班の標語。
1988年のニューヨーク、ロシアンマフィアが台頭してきた頃が舞台になっています。
国は違うけれど、「イースタン・プロミス」を思い出しますね。
父が警察署長、兄がエリート警官という環境で育ちながらも、
自分はクラブのマネージャーとして気楽に生きていたボビー。
クラブも成功し恋人ともうまくいっていて、人生は順風満帆に思えていた時、
兄が凶弾に倒れます。
普段は反発していたボビーでしたが、やはり血の繋がりは大きく、
父と兄を守るため、潜入捜査をすることに。
そして、彼の人生の歯車は狂ってしまったのでした。
演技派揃いなので、彼らが直面するシリアスな問題がずっしりと伝わってきます。
人間ドラマはたっぷり堪能出来ますが、
潜入捜査の緊迫感、また裏切りも予想できるだけに、
終始重苦しい雰囲気に包まれます。
思えば80年代にNYへ行った時、
夜通しパトカーのサイレンと救急車の音が聞こえていました。
あの頃は、こんな風に緊迫していたのでしょうか?