逆回りの人生 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

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ベンジャミン・バトン 数奇な人生 THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON 2008年 167分 

あらすじ: 80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命のもとに生まれた男ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくが……。(シネマトゥデイ

いざ観に行こうと思ってから上映時間の長さに気づき、大丈夫かなと心配しましたが、

時間など少しも気にならず、話に引き込まれました。

10月くらいから映画館へ行くたびに予告を見ていて、かなりわかってるつもりになってたのですけれど、

実際に映画を見ると予告はほんの一部でしかありませんでしたし、予想していた展開とも違っていました。

F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説の映画化ですが、元が短編とは思えない深さでした。


生まれてすぐ実の親に捨てられ、老人ホームのような所で育ったベンジャミンですが、

入れ替わりが激しいその場所で、人生を知り尽くしてる老人達が教師代わりに、

彼の心に残る言葉を伝えてくれました。

彼の外見を気にせず助けてくれる人にも恵まれました。

彼が自分の人生を呪うのではなく、人生に対して好奇心や冒険心を持っていたからこそ、

そういう人たちに巡り合えたのかもしれません。

彼を無償の愛で迎え入れた母親。

生涯を通して愛し続けたデイジーの存在が、彼の人生に多くをもたらしました。

外見の進行が違っても、同じように悩み、恋をし、

そして形は違えども、死は彼の身にも平等に訪れたのです。


ブラッド・ピットケイト・ブランシェット、共に10代から80代まで演じています。

ブラッド・ピットは主演賞ノミネート納得の化けっぷりでした。


冒頭の時計職人の話が切なく、この映画の本質を語っています。

映画が始まる前に映るワーナーブラザーズのマークが何で作られてるのかなと思いましたが、

ボタンだったんですね。

途中で気づいてなるほどと思いました。