人生を甘くみた結末は 『その土曜日、7時58分』
その土曜日、7時58分 BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD 2007年米/英制作 107分 あらすじ: 一見誰もがうらやむ優雅な暮らしをしていたニューヨークの会計士アンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、離婚した元妻のもとにいる娘の養育費もまともに払えない弟ハンク(イーサン・ホーク)を誘い、実の両親が営む宝石店へ強盗に入ることに。しかし計画決行の土曜日、7時58分。事態は最悪な方向へと突き進んでしまう。(シネマトゥデイ)
シドニー・ルメット監督、久しぶりの映画ですが、現代の社会と人を見事に捉えてます。
主役のこの兄弟、とにかく甘いんです!
お金が必要だから強盗をしよう!
知らない奴には頼めないから弟を誘おう!
親の店なら事情がよくわかってるから成功するはずだ!
そんな甘い考えで、いとも簡単に始めた事件が取り返しのつかない最悪の結果になってしまう。
この兄弟は、食べていけないとか、死が迫ってるとか、そおいう切羽詰まってるわけではないんです。
特に兄のアンディは、かなり良い暮らしをしてるので、家を売るとか他にもいろいろ方法はあるはずなんです。
それなのに、自分も今の生活も変えられない。
弟のハンクは依存度が高く、安易な方へ流されてしまう。
そんな甘い兄弟の辿った結末は、甘さのかけらもありませんでした。
役者も見事でした!
フィリップ・シーモア・ホフマンは今は乗りに乗ってますね。
イーサン・ホークは上手いし、こういう役似合います。
アルバート・フィニーがまた父親と夫の間で葛藤するのがよく出てます。
マリサ・トメイは惜しげもなく脱いでの熱演です。
人間ドラマに定評のあるルメット監督、流石です。
シリアスに最悪な話を感情的になり過ぎず描いてます。
この兄弟のような甘さが自分の中にもあるので胸が痛いです(-_-;)
誰も傷つかない犯罪なんてあるわけありません!
しかしこの邦題、印象的だけど覚えずらい(>_<)