『ホテル・ルワンダ』 目を背けたい真実の中の光
ちょうど中国でまた民族紛争が起きていますが、
事実に基づいたこの映画は、今まで見た中で一番見てるのが辛かったですね。
1994年アフリカのルワンダで、100万人(国民の10%)を超える犠牲者を出した大虐殺のなかで、
シンドラーのように、1200人もの人々を匿ったホテル支配人の話です。
ホテル・ルワンダ HOTEL RWANDA 2004年英/伊/南アフリカ制作 122分 あらすじ: 1994年、ルワンダの首都キガリ。高級ホテル「ミル・コリン・ホテル」で働く支配人のポール(ドン・チードル)は毎日順調に仕事をこなしていたが、ある晩、ホテルからの帰宅途中に街で火の手が上がっているのを発見する。(シネマトゥデイ)
下手なホラー映画なんかよりよっぽど怖かったですね。
主人公のポールは高級ホテルの支配人である自分に誇りを持ち、
顧客サービスのためには民族意識の強い軍人ともビジネスと割り切って付き合っていました。
あまりの惨状に海外の軍事介入を期待するものの、どの国もアフリカの小国を気にも止めません。
有事に助けてもらうために便宜を図っていた有力者たちからもあっさり見捨てられます。
最初は自分の家族だけ助けようとしたポールも、なりゆきで近隣の人も助けるようになり、
次第に行き場のない人たちを受け入れ守るようになります。
しかし彼一人の力では限界があり、彼も反逆者として狙われるように。
「虐殺の映像を茶の間で見ても、酷いわねと言いながら夕食を続けるだけだ」と
劇中でカメラマン役のホアキン・フェニックスが言うように、
映画を見て痛ましいと思うものの、たった15年前のニュースの記憶がありません。
他にもいろいろ理由はあるでしょうが、この無関心さも被害が大きくなった原因ですね。
そしてこういう内乱には必ずバックに大国が居るのも変わらないですね。
あの手この手で人を救おうとするポール
ドン・チードルがオスカーノミネートの熱演です。
最初はもめ事に係わりたくなかったポールが人を助けるために命を張るようになる変化を自然に演じてます。
英語もず~っとカタコトで話していましたね。
頼るところがない中で普通の人が必死にあがくところがリアルで、
孤独や絶望がより感じられました。
ぜひ中国にも勧めたい映画ですね。