家族との再会だけが望みだった 『カティンの森』
そろそろ、第80回アカデミー賞の塗りつぶしくらい完成させておきたいと思い集中して見ています。
KATYN 2007年ポーランド 122分
あらすじ: 1939年、ポーランドはドイツ軍とソ連軍に侵攻され、すべてのポーランド軍将校はソ連の捕虜となった。アンジェイ大尉(アルトゥール・ジミエウスキー)は、彼の行方を探していた妻アンナ(マヤ・オスタシャースカ)と娘の目前で、東部へ連行されていく。アンナは夫の両親のもとに戻るが、義父はドイツに逮捕され収容所で病死し、残された家族はアンジェイの帰還を待ち続ける。 (シネマトゥデイより)
アンジェイ・ワイダ監督の名前こそ知っていたものの、
実はこれが初鑑賞なんですね。
有名な『灰とダイヤモンド』も未見です。
実際に起きた「カティンの森」事件
監督自身のお父さんもこの事件で亡くなっているとか
構想に50年、制作に17年費やしています。
恥ずかしながら、この映画を見るまで、こういう歴史的事実を知りませんでした。
それだけでも酷い話ですが、
ソ連とドイツがお互いにこの罪を認めず擦り合いをし、
被害者の家族たちに相手国への批判をさせようとまでする。
そんな状況の中、無言で耐えて生き抜く人たち
新体制を受け入れる人、現実に耐えきれず自殺する人、レジスタンスとして戦い続ける人
占領された1939年から1945年までの6年間を、
残された女性たちの視点からおもに描いています。
真実をそのまま映像化したであろうラストに、観ていて胸が痛くなりました。
歴史の重みのある目が離せない作品でした。