2人の鉄の女 『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
先日見た『戦火の馬』の146分に比べ、こちらはコンパクトな105分
馬の半生より、人の半生の方が短いのね~(^_^;)
邦題は無駄に長い気がするけど~(-。-)y-゜゜゜
THE IRON LADY 2011年イギリス 105分
あらすじ:孤独な晩年を送る86歳のマーガレット・サッチャー。すでに他界した夫デニスの幻想を相手にしてしまうこともしばしば。そんな彼女は、ふと自らの人生を振り返る。市長も務めた父の影響で政治家を志すようになったマーガレットは、やがて下院議員選挙に立候補するがあえなく落選。失意の彼女を実業家のデニス・サッチャーが優しく励まし2人は結婚。子どもにも恵まれ、幸せな家庭を築くが、政治への意欲を失わないマーガレットは、ついに下院議員への当選を果たす。男たちが支配してきた世界に飛び込んだマーガレットは、様々な困難に強靱な意志で立ち向かい、着々と政界での地位を高めていくのだが…。 (allcinemaより)
冒頭と最後だけが晩年のサッチャーさんで、
中盤はず~っと、当選前から首相時代の話をするんだと思ってましたが、
実際は、晩年のサッチャーさんが主体で、
折々昔の回想シーンが挟まれるという構図でしたね。
ダラダラと彼女の生涯を描くのではなく、
転機となるエピソードだけを挟みこんで、短時間でまとめています。
伝記物や歴史物というより、
最愛で唯一の理解者であった夫に先立たれた一人の女性の話
「鉄の女」がテーマというわけではないんですね。
といっても、偉大な業績を残した方なので、そちらに目がいきます。
サッチャー首相について、それほど詳しいわけではいので、(自国の首相のこともよく知らないくらいだし^^;)
メディアで取り上げられているほど、メリル・ストリープが似ているのかどおかはわかりませんが、
メリルの演技については、オスカー受賞も納得のように思います。
メリルが如何に彼女に似せたかというよりも、
メリルの印象自体がサッチャーさんに被って、
メリルを見ているんだか、サッチャーさんを見ているんだかよくわからなくなりました(^_^;)
今まで、多種多様な数々の役柄を見事に演じてきたメリルと
自分の意思を貫き通したサッチャーさんのイメージがダブり、
この役はメリルで正解だったんではないだろうかと、勝手に思いました(^^ゞ
授賞式のスピーチで、今まで支えてくれた夫に真っ先に感謝していたところも、
余計にそう思いましたね。
ジム・ブロードベントのユーモラスな夫デニスも良かったし、
若い時のデニス、ハリー・ロイドと若きマーガレットのアレクサンドラ・ローチも印象的でした!
市長でもあったマーガレットの父にイアン・グレン
メリル以外はイギリス系で固めてますね。
監督は『マンマ・ミーア』のフィリダ・ロイド
メイクアップ賞も受賞してますが、
確かにメイクは凄いですね。
特に晩年の顔は、もう見事です!
頼りにしていた仲間はテロに倒れ、腹心は離れていき、ついにはその座を追われる。
今では、常に亡き夫の幻影と共にいるマーガレット
亡くなった現実と向き合わなければと思う気持ちと、
デニス以外には理解者も友達も居ないマーガレットの、夫を焦がれる気持ちの葛藤
10年半も首相を務めた人の現役後の生活はどんなものだったのか、
その孤独の深さははかり知れません!