『J・エドガー』 ディカプリオの熱演は素晴らしいけど、で、だから?って思っちゃう


これコチラ公開なかったんですよね~!

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                  J. EDGAR       2011年 137分

あらすじ:人生の終盤に差し掛かったFBI長官J・E・フーバー。彼は回顧録の作成にとりかかり、部下に書き取りを命じて語り出す。1919年、司法省に勤務していたフーバーは、長官の目に留まり、新設された急進派対策課を任される。これを機に、秘書室のヘレンにプロポーズするが断られてしまう。それでもフーバーは、彼女を個人秘書として生涯にわたって雇い続けることに。その後、FBIの前身である司法省捜査局の長官代行となったフーバーは、片腕となるクライド・トルソンと秘書のヘレンだけを信頼し、自らの信じる正義を実現すべく、捜査の近代化と権力の集中を進めていくのだが…。                                 (allcinemaより)


FBIの初代長官であり、29歳から77歳の死去まで48年間もトップの座に君臨していたJ・エドガー・フーヴァー

彼の半世紀を描いた伝記的ドラマ。

回顧録の作成という形で過去を振り返る晩年のフーヴァー。

共産主義や過激派のテロが活発化していた1919年、司法長官宅の爆破事件が起こる。

過激派を逮捕し国外追放するための特別捜査チームの責任者を任されたフーヴァーは、

過激派の一掃に成功。捜査チームはお役御免と思われた頃、リンドバーグの息子の誘拐事件が起きる。

世間の注目を浴びている事件を利用し、FBIの権限を大幅に認めさせる法案を議会に認めさせる。

科学捜査の導入で成果を上げながら、盗聴などによる政治家たちのスキャンダルの収集で、

自分の権力を強めていく。


個人的にフーヴァーのイメージは、どちらかというと胡散臭い感じでしたが、

科学捜査を本格的に導入し、FBIを大きな組織にしたという功績で、アメリカでは英雄なのかな?

フーヴァーが生涯独身であったことや、ゲイや服装倒錯者の疑いがあったこと、

リンドバーグ愛児誘拐事件についても初耳でした。


レオナルド・ディカプリオは自分から役を希望していたこともあって、老け役まで熱演

ただこの映画語りが多いので、声はなかなか老けられないんですよね。

冒頭からそこにちょっと違和感、本人が写ってるときはそう思わないんですが、ナレーションだけだと気になる。

フーヴァーの片腕で、公私ともにパートナーであったクライド・トルソンにアーミー・ハマー

ハマーの晩年は見るのが辛いですね(^_^;)若い時にキラキラしているだけに、ギャップが大きい(>_<)

演技は良かったと思うんだけど、なんかキャスト的に違う気もする(・_・;)

フーヴァーの秘書を48年間勤めたヘレン・ギャンディにナオミ・ワッツ、雰囲気が良いです。

フーヴァーのプロポーズは断りましたが、仕事では彼に仕えました。

息子に愛とプレッシャーを与え続けたフーヴァーの母にジュディ・デンチ


フーヴァーをダンスに誘う女優(?)でリー・トンプソンが出てましたね。



吃音症や性癖からくるコンプレックス、母親からの過度な期待からの権力志向、

人にも自分にも厳しい性格は人を信用できず、信頼できるのは秘書のギャンディとトルソンのみ。

J・エドガー・フーヴァーの複雑な人となりをじっくり描いている伝記としては素晴らしいと思うけれど、

なぜか、彼にたいして憐れみも怒りも起こってこない。

キャストも演技も良いと思うんですけどね、共感も感情移入も出来ない。

監督の目線とシンクロ出来なかったのが残念でした。