『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』 いくつになっても夢は見る


ハシゴした2本目は、本年度アカデミー賞6部門ノミネート、
カンヌ国際映画祭パルムドールノミネート、男優賞受賞の
ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
(最近の邦題は長々続けるのが流行?)

イメージ 1
               NEBRASKA       2013年 115分

あらすじ:アメリカ北西部のモンタナ州に暮らす老人ウディ・グラント。ある日、100万ドルの賞金が当たったという、どう考えてもインチキな手紙を受け取る。ところがウディはそれを信じ込み、はるか遠くのネブラスカまで歩いて賞金を受け取りに行こうとする始末。息子のデイビッドは、周囲が何を言ってもまるで耳を貸さない父に根負けし、無駄骨承知で彼を車でネブラスカまで連れて行くことに。そしてその道中で、ウディの生まれ故郷に立ち寄る父子だったが…。(allcinemaより)


全編モノクロのロード・ムービー。
偏屈な老人ウディは、100万ドルが当たったという当選詐欺の手紙を信じて、
家族が止めるのに耳を貸さず、モンタナからネブラスカまで歩いて行こうとする。
息子のデイビッドは仕方なく父を車でネブラスカへ連れて行く事にする。
酒を止められないウディは途中で怪我をしたため、故郷のネブラスカの兄弟の家で、
数日やっかいになり、ウディは親戚やかつての仕事仲間達と再会する。

老人率が非常に高い。
田舎では過疎・高齢化が進んでいるのはどの国も同じらしい。
モノクロだからか、時が止まっているかのような印象も。
ロード・ムービーと言っても、旅先で心暖まる出会いがある訳ではなく、
世知辛い現実が次々と突きつけられる。
これも身近で見かける光景。
最初は困った父親だと思っていたウディが、段々可哀想になってきて、
デイビッドの父親に対する気持ちと、自然と同化してくる。

ウディにブルース・ダーンアカデミー賞は逃したもののカンヌでは男優賞受賞。
最近では『ジャンゴ 繋がれざる者』に1シーン出ていたけど、
昔の個性が強い役のイメージとは大違い。
母親ケイトにジューン・スキップ、アカデミー助演女優賞ノミネート。
なんだかうちの母親に重なって(^^;; うちの母はあそこまで口うるさくないけど(^^;;
デイビッドにウィル・フォーテ、他ステーシー・キーチなど。
監督は『ファミリー・ツリー』のアレクサンダー・ペイン

それまで父親と一緒に過ごす機会がなかったデイビッドが、
父と過ごす時間が取れて良かったとか、夢を見させてやりたいと考えているのに、
息子の事など眼中に無く、ただ100万ドルに固執するウディ。
年老いた親を持つ身としては、どうも人事とは思えず、展開を見守ってしまう。

故郷で過ごした数日で、偏屈で頑固な父親が、
実は優しく、頼まれると断れない性格とわかるデイビッド。
結局彼は父親譲りの性格なのだ。
ラストは思わず泣けてしまった(´Д⊂ヽ
デイビッドのした事にも、ウディの取った行動にも。
母も兄も、なんだかんだ言っても家族なんだな~と。
そして我が家の事も考え、泣けてしまった(´Д⊂ヽ
そんな映画でした。
ハートウォーミングとはちょっと違う気がしますけど、心に沁みる映画でした。