『アメリカン・スナイパー』 ”伝説”の裏にあるもの


内容からあまり観たい気分でもなかった『アメリカン・スナイパー』ですが、
せっかくアカデミー賞授賞式までに公開してくれる作品なので、
初日レイトショーで観てきました!

いつものイーストウッド監督作同様、淡々とした作りなので、観終わって涙が止まらないとか、茫然自失ってこともなかったのですが、どうも何か書かないとず~っと考え込んでしまいそうなので、書いてから寝ることにします。

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AMERICAN SNIPER 2014年 132分

あらすじ:2001年のアメリ同時多発テロをテレビで目の当たりにした青年クリス・カイルは、祖国の人々を守るために貢献したいとの思いを強くし、ネイビー・シールズで狙撃手としての過酷な訓練に励んでいく。やがてイラクに出征したクリスは、その驚異的な狙撃の精度で味方の窮地を幾度も救っていく。仲間たちから“レジェンド”と賞賛される活躍をし、無事に帰国したクリス。これでようやく、愛する妻タヤと生まれたばかりの長男と共に平穏な日常を送れるかに思われたが…。(allcinemaより)


イラク戦争に4度従軍したクリス・カイルが著した自伝『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』(文庫版の題名は「アメリカン・スナイパー」)の映画化。
2月22日(日本時間23日)の第87回アカデミー賞では作品賞・主演男優賞を含む6部門でノミネート。

30才になってから入隊し、いきなりシールズの過酷な訓練を受け、結婚後すぐイラクに派遣されたクリス・カイルは、射撃の腕を買われ狙撃手となり160人以上の敵を射殺。仲間から”伝説”と呼ばれることに抵抗を感じるクリス。敵からは”悪魔”と恐れられ懸賞金まで掛けられる。家族を愛しながらも、戦場に戻ってしまうクリス。

クリス・カイルにブラッドリー・クーパー、本人に合わせるため体重を増やした身体作りをしているため、最初は違う人かと思いました。
妻タヤにシエナ・ミラー、どうも彼女の顔が覚えられない私です(・・A;)あせあせ
実は他に知っている俳優さんが出ていないのですよね。
監督はクリント・イーストウッド、映画化権を自ら取得したブラッドリー・クーパーは製作に名を連ねています。

近年の対イラク戦争を取り上げているので、『ハート・ロッカー』を思い出しもするのですが、クリス・カイルは『ハート・ロッカー』でジェレミー・レナーが演じた主人公の様に戦場でしか生きられないタイプではなく、本国に居るときは兄・息子・夫・父親とどの立場でも理想的な人物に思えます。
そんなクリスがなぜ戦場で活躍したのかというと、少年の頃から射撃が得意だったから。そして国や仲間を守りたいという気持ちが強かったから。少年時代に父親から「羊を守る牧羊犬になれ」と言われて育った彼。観終わって感じたことは、こういう生き方しかできなかったのだろうなということでした。
クリスがもし射撃が得意ではなかったら、また別の生き方をしていたかもしれません。
得意な射撃で国を守ることが自分の使命と考え、本当は嫌だったのに使命感の方が強かったんでしょうね。それはまたクリスだけでなく、相手側の狙撃手も同じだったのかも。無音のエンド・クレジットで追悼と共にいろいろ考えさせられました。