『わたしはロランス』 初グザヴィエ・ドラン


評判を聞いていたグザヴィエ・ドラン監督作『わたしはロランス
久しぶりに濃厚な恋愛ものを見ました。

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LAURENCE ANYWAYS  2012年カナダ/仏 168分

あらすじ:
モントリオール在住の国語教師ロランス。彼には、ある秘密があった。それは、彼の心は女であり、今ある男の体は間違いだと思っているということ。30歳の誕生日、ついに彼はそのことを恋人のフレッドに打ち明ける。最初は騙されていたと激しく非難したフレッドだったが、ロランスの気持ちを受け止め、一緒に生きていくと決意する。以来、学校にも女性の格好で出かけていくロランスだったが…。(allcinemaより)


女性になりたいと思い続けた主人公が偏見に遭いながらも願望をかなえ、恋人である女性と過ごす葛藤と愛の10年間を描いたヒューマン・ラブストーリー。
2人の愛の軌跡に圧倒されました。

トランスジェンダーのロランスにメルヴィル・プポー、恋人フレッドにスザンヌ・クレマン、ロランスの母親にナタリー・バイなど。
監督はグザヴィエ・ドラン、この映画を撮った当時は23歳。

ロランスとフレッドの10年間の愛の行方を描いているので、168分と長いのですが、
目が離せなかったですね。
ロランスの女性として生きたいとフレッドに告白する勇気、彼の意思を尊重し応援しようとするフレッドに最初感動しました。今でもまだまだ受け入れられていないトランスジェンダー、90年代だとさぞ風当たりが強かったでしょう。
案の定、ロランスは教師の職を追われ、愛し合っているフレッドとの中にも亀裂が入ります。別れても本当は愛し合っている2人。完全には離れられず、再び一緒にと思う頃にはお互い歩む道が違ってしまっています。
またロランスと両親、特に母親との関係も興味深くて、意外に冷静な母親も天晴れ。
センスある映像、どんどん女性らしく美しくなっていくロランス。
最後の終わり方も切ないような粋なような、風情を残すラストでした。

ちょっとこれは他の監督作も見ないと!って思いましたね。