『キャロル』 視線で語られる想い


公開を待ちわびていた『キャロル』地元公開初日初回で観てきました!
久しぶりに余韻を引きずりそうな映画でした。

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CAROL 2015年英/米/仏 118分

あらすじ:
1952年、クリスマス目前の活気あふれるニューヨーク。高級百貨店のおもちゃ売り場でアルバイトをしているテレーズ。フォトグラファーという夢を持ち、恋人のリチャードからは結婚を迫られるなど、一見充実しているかに思えて、どこか満たされない日々を送っていた。そんなある日、ゴージャスな毛皮のコートを着た女性キャロルが、娘のクリスマスプレゼントを探しに彼女の売り場へやって来る。その美しく優雅な佇まいに一瞬で目を奪われ、強い憧れを抱くテレーズ。後日、ふとした成り行きからキャロルにランチに誘われ、彼女が夫ハージとの愛のない結婚生活に苦しんできたこと、そしてついに離婚を決意したことを知るが…。(allcinemaより)



「見知らぬ乗客」「太陽がいっぱい」の作家パトリシア・ハイスミスが1952年に別名義で発表した小説の映画化。内容はほとんど彼女の実体験に基づくものだとか。

本年度アカデミー賞、主演女優賞、助演女優賞、脚色賞、撮影賞、作曲賞、衣装デザイン賞ノミネート。この映画も作品賞と監督賞候補になっていないのが不思議。

キャロルにケイト・ブランシェット、本作ではプロデューサーも務めています。
テレーズにルーニー・マーラ、個性的な役を好む人だと思っていたけど、今回は普通の女性でしたね。二人ともそれぞれとても綺麗でした。
キャロルの夫のカイル・チャンドラーはなんだかいつもこんな感じの役どころ(^_^;)
他にジェイク・レイシー、サラ・ポールソン、ジョン・マガロ、コーリー・マイケル・スミスなど。
エデンより彼方に』のトッド・ヘインズ監督とエド・ラックマンの撮影コンビ。

50年代を意識して16ミリフィルムを使い、ガラス越しや車のウィンドウを通したりとぼやかしたようなシーンも多く、あたかも50年代に撮ったような映像が美しい。
色にもとことんこだわってカラーコーディネートしているのだとか。
キャロルが身につけている衣装の赤と口紅やマニキュアの色のマッチなど。
一つ一つのシーンが計算され尽くされている美しさ。
そんな映像美とともに、キャロルとテレーズの恋の行方が描かれます。
セリフよりも視線で語る恋の駆け引き、またそれも美しい。
社会的タブーな話が焦点かと思っていたら、主人公が同性同士でなく異性であったとしても成立する普遍的な恋愛映画でした。
最初は、あ~恋だね~と客観的に観ていたのですが、最後では思わず涙が(/ _ ; )
恋愛なんていつのことだろうな私を泣かせるところが凄い!( ̄∀ ̄*)イヒッ
恋愛映画であると同時に、自分らしく・ありのままに生きるために苦悩するキャロルと、キャロルとの出会いによって成熟するテレーズを描いた話でもありました。