『スリー・ビルボード』 3つの看板の意味するものは


2月1日から公開の『スリー・ビルボード』本日無事鑑賞。
昨年『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の上映がなかったシネマサンシャイン
今回は上映ありがとう!たとえ、4館中1館のみとしても。

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THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI  2017年英/米 116分

あらすじ:
アメリカ、ミズーリ州の田舎町エビング。ある日、道路脇に立つ3枚の立て看板に、地元警察への辛辣な抗議メッセージが出現する。それは、娘を殺されたミルドレッド・ヘイズが、7ヵ月たっても一向に進展しない捜査に業を煮やして掲げたものだった。名指しされた署長のウィロビーは困惑しながらも冷静に理解を得ようとする一方、部下のディクソン巡査はミルドレッドへの怒りを露わにする。さらに署長を敬愛する町の人々も広告に憤慨し、掲載を取り止めるようミルドレッドに忠告するのだったが…。(allcinemaより)



ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門の作品賞・女優賞・助演男優賞脚本賞受賞。
アカデミー賞の大本命と言われている本作。
アメリカ・ミズーリー州の田舎町が舞台だけれど、アメリカだけではない問題が。
警察官による暴行、人種差別、LGBT差別、DV、聖職者の児童性的虐待、兵士による犯罪など、いろんな社会問題を匂わせるサスペンスが次第に、パーソナルなドラマへ。

キャストも曲者がてんこ盛り。
ミルドレッドにフランシス・マクドーマンド、ウィロビー署長にウディ・ハレルソン、ディクソンにサム・ロックウェル、不動産屋にケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、他ルーカス・ヘッジズピーター・ディンクレイジジョン・ホークスジェリコ・イヴァネクアビー・コーニッシュなど。
監督はイギリス人で『ヒットマンズ・レクイエム』のマーティン・マクドナー

甘くはない展開だろうなという予測は出来るものの、どう転ぶのかわからない。
看板を立ててまで抗議した相手の署長がひどい奴なのかと思えば、誠実で穏やかな人柄、というところから予想を覆され、次から次へと驚く展開。

登場人物たちも一筋縄ではいかない。
悲劇の母親であるミルドレッドは怒れる母でもあり、
人種差別者のディクソンにも正義感はある。
人格者のウィロビー署長でさえ、信じられない行動を。

しかも観ている間に、登場人物達への印象がどんどん変わってくる。
相手の一面しか見ていなかったことを、登場人物たちが気づくと共に、
映画を観ている自分も偏見があったことに気づく。

描き方が細やかで、
鹿のシーンで泣いた。( ;  ; )
オレンジジュースでも。(T ^ T)

3つの看板には、メッセージ以上のものがあったし、
許しと贖罪の話であったかなと。
意味深だけど、後味も悪くないです。