崇拝が憎悪に変わるとき 『ジェシー・ジェームズの暗殺』

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ジェシー・ジェームズの暗殺 THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD 
                                  2007年 160分

あらすじ: 悪名高きアウトローとして数々の犯罪に手を染め、法をあざけり、自分自身のルールで生きてきたジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)。理想に燃える野心家の若者ロバート・フォード(ケイシー・アフレック)は、そんなジェシーの仲間になれたことを心から喜んでいたが、思わぬ事態が彼らを待ち受ける。(シネマトゥデイ

ジェシー・ジェームズ

英雄であり犯罪者

日本で例えると誰になるんでしょう? 坂本龍馬とか?

そんな彼を崇拝する若者が、彼に近づき、殺し、自分も殺されるまでの物語。

他の仲間も絡んできますが、ほとんどボブことロバート・フォードとジェシーの話ですね。

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ほど表面は激しくありませんが、

2人の心の葛藤と戦い、

どちらも理解できず、入り込めなくて傍観者になってしまうところが、

『ゼア・ウィル・ビ~』を思い出させます。


ブラッド・ピットはこういう、何を考えているかわからない、

不機嫌さと人懐っこさを併せ持った危ない男を演じるのはピカイチだと思いますが、

なかなかオスカー候補に成れないのは、ルックスで損をしてるのでしょうかね~?

この映画では、ボブ役のケイシー・アフレック助演男優賞にノミネートでしたが、

媚びているのか諦めているのか、羨望なのか妬みなのかわからない微妙な心理を演じていたと思います。

ボブの兄、チャーリーを演じたサム・ロックウェルもかなり良かったです。

同じサムでも、サム・シェパードは貫禄です。


死体と一緒の写真撮影も理解できませんが、

自分が暗殺した物語を自分で800回も演じたボブという男の生涯も共感できず、

入り込めないままの160分はちょっと長く感じました。