美しき運命の傷痕 L' ENFER/HELL 2005年

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昨夜たまたまBSジャパンでやっていたのを見ました。

内容(「Oricon」データベースより)
巨匠キェシロフスキの遺稿をエマニュエル・ベアールほか、ヨーロッパを代表する豪華キャストで映画化した愛と再生の物語。父親をある出来事で失った三姉妹。それから22年後、彼女たちは美しく成長するが、長女ソフィは夫の浮気に悩み、次女セリーヌは男性との距離のとり方が不得意で恋人ができず、三女のアンヌは父親への強い憧れから、年の離れた大学教授と不倫関係にある。それぞれ問題を抱える3人であったが…。

映画の原題は「地獄」なのですが、エマニュエル・ベアールだから、「美しき~」となるのでしょうか?

巨匠クシシュトフ・キェシロフスキが、ダンテの「神曲」をモチーフにして生前書いた3部作の第2章「地獄」を、

『ノーマンズ・ランド』でアカデミー外国語映画賞を受賞した新鋭ダニス・タノヴィッチ監督が映画化しました。


詳細はこちらから http://www.bitters.co.jp/unmei/


決して明るい話ではないのですが、つい見入ってしまいました。

まず、特殊メイクで母親を演じるキャロル・ブーケが無表情で怖い。

足が不自由で喋れない為養護施設に入っていますが、決して知能は衰えていない。

そんな母を頻繁に見舞うのは、カリン・ヴィアール演じる次女セリーヌだけ。

長女ソフィー(エマニュエル・ベアール)は夫の浮気に苦しみ、

三女アンヌ(マリー・ジラン)は友人の父親でもある大学教授と不倫に悩んでいます。

この2人の暗い内に秘めた激しさと、セリーヌのおっとりした感じがうまく調和しています。

そんな時セリーヌのところへ、一人の男性セバシチャンが尋ねてきますが、

彼が何のために来たのかがストーリーの鍵になります。


姉妹と両親の過去が、ソフィーの現在と重なり、

父とセバスチャンの関係が、今のアンヌに重なり、

冒頭で刑務所から出てくる父親に何があったのかが分かるシーンでは、

セリーヌが当時のセバスチャンと同じ態度を取ってしまっている事に気づきます。

よく出来たストーリーで、ミステリーのような感じすらします。

そして、苦難を乗り越え何とか立ち直ろうとする姉妹に、

衝撃のラストが!


時間は102分と短いものの、重厚なドラマでした。