心の闇 『アメリカを売った男』

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20年以上もアメリカの国家機密をソ連に売り渡していた実在のFBI捜査官のスパイ事件を映画化

ソ連に忠誠を誓っているわけでもなく金が目的でもない彼の動機は、

自分の能力を正当に認めてくれない国家に対する怒りでした。

      アメリカを売った男  BREACH  2007年 110分

あらすじ: 野心家の若きFBI訓練捜査官オニール(ライアン・フィリップ)は、ある日上司のバロウズローラ・リニー)に呼び出される。彼はFBIのナンバーワン特別捜査官、ロバート・ハンセン(クリス・クーパー)とともに新設される“情報管理部”で仕事をするよう指令を受ける。
だが、実際の彼の任務はハンセンの行動を逐一上司に報告することだった。(シネマトゥデイ

クリス・クーパーが最初から嫌味で偏屈な上司として登場、見るからに怪しいです。

不思議なことに最初の印象が悪ければ悪いほど、ちょっとしたことで印象が変わり、

実はそんなに悪い人ではないんじゃないだろうかと思えてきたりします。

この辺の癖のある役はやはり巧いですね。

ライアン・フィリップもお得意の、野心家で生意気だけど力はある若造。

ローラ・リニーがクールな上司と、キャストはハマってます。

良い上司、良い部下を装いながら、互いに相手の腹を探る心理戦。

証拠を掴むために隙をついてデーターをコピーするあたり、よくある場面だけどドキドキします。

派手なアクションはなく地味な心理ドラマですけど、

自分のアイデンティティみたいなところまで踏み込んでいて、なかなか面白かったです。