『悲しみが乾くまで』 弱いからこそわかりあえる
ベネチオ・デル・トロとハル・ベリー目当てで見ました。
ハル・ベリーはちょっと「チョコレート」と被る様な役どころ。
最近アクションが多かった彼女、静かな演技久しぶりです。
悲しみが乾くまで THINGS WE LOST IN THE FIRE 2008年米/英制作 119分 あらすじ: 夫のブライアン(デヴィッド・ドゥカヴニー)と2人の子どもに囲まれ、幸せな日々を送っていたオードリー(ハル・ベリー)。しかし、ブライアンが事件に巻き込まれ死亡。その葬儀の日、オードリーは夫の親友ジェリー(ベニチオ・デル・トロ)と再会する。ジェリーはかつて弁護士だったが、今はヘロインにおぼれ、堕落していた。(シネマトゥデイ)
優しい夫への唯一の不満は、ドラッグから抜け出せない幼馴染との付き合いを止めないこと。
オードリーは夫ブライアンがジェリーに良いように利用されていると思っていましたが、
夫の死後、それは自分の思い込みだったことに気づき、夫の代わりにジェリーを助けようと、
自宅の倉庫を改装してそこへ住む様に勧めます。
夫の死を受け入れられない彼女は、自分が助けているつもりのジェリーに、
逆に助けられていることに気づき苛立ちます。
彼女に何を言われても穏やかなジェリーでしたが、ドラッグを断ち切るのは難しく・・・・・。
ハル・ベリー演じるオードリーは結構自分勝手なんですよね。
ジェリーに一緒に住めと言ったり出て行けと言ったり、
子供が彼に懐くとやきもちを焼いたり、
それでもジェリーがドラッグの禁断症状に苦しんでいるときは懸命に助けようとします。
彼を助けることで自分も夫の死を受け入れることが出来るようになるんですね。
デル・トロ演じるジェリーは、自分が弱い人間だとわかっているためか、
相手の弱さにも寛大です。
オードリーが立ち直ったように、彼も今まで拒んでいた更生施設へ行くことを決意します。
ドラッグの話は激しいものが多いですが、とても静かにそれぞれの内面にスポットを当てています。
弱いものどおし、お互いを助けようとして逆に助けられる、
オードリーとジェリーだけではなく、子供たちや他の友人もそうでした。
善意の中で立ち直っていく話でした。