『ブラックブック』 リアルなエンターテイメント

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これもまた第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ占領下のオランダでのレジスタンス。

ワルキューレ』や『ディファイアンス』ほどの実話の重みはありませんが、

“ブラックブック”という実在する日記帳を基にしたサスペンスドラマです。

  ブラックブック  ZWARTBOEK/BLACK BOOK  2006年蘭/独/英/ベルギー制作 144分

あらすじ: 1944年、ナチス・ドイツ占領下のオランダ。若く美しいユダヤ人歌手ラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、オランダへ逃げようとするが、何者かの裏切りによって両親や弟をナチスに殺されてしまう。復しゅうのために名前をエリスと変えた彼女は、レジスタンスのスパイとしてドイツ将校ムンツェに美ぼうと美声を武器に近づくが……。(シネマトゥデイ

家族をナチスに殺されたユダヤ人ラヘルは、復讐を誓いレジスタンスのスパイとして

ドイツ将校ムンツェに近づきます。

ムンツェ自身も戦争で妻子を亡くし、ラヘルがスパイと知りながら協力するのですが、

レジスタンス側にもナチスのスパイが居るようで、

ムンツェとラヘルは孤立無援となり追い詰められて行きます。


ナチスへの潜入、かなりドキドキしました。

ドイツ軍での地位を利用して私欲を満たす奴

それに反発するエリート

オランダ人のレジスタンス

復讐を誓うユダヤ

特にどちらに付くわけでもなく戦時下でも楽しんでいるオランダ人

人助けをするふりをして金を稼ごうとする者

そして、敵同士のはずなのに惹かれあうふたり

いろんなタイプの思惑が絡んで、見ごたえありました。

史実をもとにしているためか、今までの戦争サスペンスとは一味違います。

ポール・ヴァーホヴェン監督なのでエンタメ性も高いですね。


キャストもなかなか揃っていて、



主演のカリス・ファン・ハウテンが『ワルキューレ』でトムの奥さんだったとは気づきませんでした。

ポール・ヴァーホーヴェン監督が、故国オランダで撮った構想20年の作品。

2006年オスカーの外国語映画賞にもノミネートされています。