『愛を読むひと』 愛と贖罪

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平井堅の歌がずっと頭をグルグルしてます(@_@。

  愛を読むひと  THE READER   2008年 アメリカ/ドイツ制作 124分

あらすじ: 1958年のドイツ、15歳のマイケルは21歳も年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)と恋に落ち、やがて、ハンナはマイケルに本の朗読を頼むようになり、愛を深めていった。
ある日、彼女は突然マイケルの前から姿を消し、数年後、法学専攻の大学生になったマイケル(デヴィッド・クロス)は、無期懲役の判決を受けるハンナと法廷で再会する。(シネマトゥデイ)  

物語は大人のマイケル(レイフ・ファインズ)の回想という形で進んで行きます。

15歳のマイケルはハンナと知り合い、彼女に惹かれ逢瀬を重ねます。

盲目的にハンナに恋するマイケルですが、ハンナは自分のことを話そうとはせず、

マイケルとの間に線を引いています。

ある日突然マイケルの前から姿を消したハンナ。

打ちひしがれたマイケルがやっと立ち直ったと思えた頃、

意外な形でハンナと再会することに。


マイケルの視点で話が進むうえに、ハンナもマイケルもほとんど自分の心情を語らないので、

役者の演技から読み取るしかないのですが、

アカデミー賞を受賞したケイト・ウインスレットの演技は文句なく素晴らしいし、

レイフ・ファインズ、少年マイケル役のデヴィッド・クロスも素晴らしいです。

マイケルのロースクールの先生役に、ブルーノ・ガンツを持ってくるあたり憎いですね。

観てる時は気づかなかったのですが、レナ・オリンが二役で被害者の親子の役をやっています。


ハンナとマイケルの人生に、最後まで引き込まれて観たのですが、

特にハンナの気持ちは推測するしかなくて、

彼女が過去にしたことに対して思っていたこと、子供たちに対しての想い、

秘密を隠しとおす理由とかはっきりとは語られないのが消化不良に感じる部分も。

その分とても抒情的で、余韻が残る作品になってます。


過去にあったことへの、ハンナと被害者の生き残りの女性の考えが、

2人とも共通しているように感じました。

結局どちらも被害者で、戦後生まれのマイケルでさえも被害者と言えるかもしれません。

この時代と愛に苦しんだハンナとマイケルですが、愛に救われたとも思います。


制作にかかわっていたアンソニー・ミンゲラシドニー・ポラックへ弔意が示されてます。