成熟したペネロペ 『ボルベール <帰郷>』

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今日は第80回アカデミー授賞式でしたね。

過去に『オール・アバウト・マイ・マザー』でアカデミー外国語映画賞を受賞、

そして『トーク・トゥ・ハー』でアカデミー脚本賞を受賞の、スペインを代表する映画監督、

ペドロ・アルモドバル監督の『ボルベール』を見ました。


『ボルベール <帰郷>』 VOLVER  2006年

あらすじ: 10代のころ母親を火事で失ったライムンダ(ペネロペ・クルス)は、失業中の夫と15歳の娘パウラ(ヨアンナ・コバ)のために日々忙しく働いていた。ある日、火事で死んだはずの母親が生きているといううわさを耳にする。そんな中、肉体関係を迫ってきた父親を、パウラが殺害してしまうトラブルが発生し……。(シネマトゥデイ

詳細はこちらから http://volver.gyao.jp/


この監督の映画は、いつもテーマに驚かされます。

ゴルチエの衣装も奇抜で、レイプを扱った「キカ」

最愛の息子を事故で失ってしまった母親の、魂の軌跡を描く「オール・アバウト・マイ・マザー」

昏睡状態の女性への看護士の過剰な愛、「トーク・トゥ・ハー」など。

彼の作品は、あまりにも不幸すぎて、悲しみを通り過ぎて滑稽さも感じます。

あまり悲惨さや暗さを感じさせませんね。

そして大体、女性の芯の強さが描かれます。


今回のテーマは、帰郷。

監督の故郷でもあるラ・マンチャが舞台となっています。

故郷へ戻ることは、母の胸へと帰ること

という言葉どおり、親子の絆がショッキングなエピソードを通して離れたり深まったり。

劇中で歌われる「ボルベール」という曲はタンゴの名曲だそうです。

ペネロペの声と違うな~と思ったら口パクだそうですが、

郷愁を誘う良い歌です。


今回もアルモドバル組の女優さんがキャストに名を連ね、

親子として、姉妹として似ているかは二の次のよう。

ペネロペ・クルスは綺麗だけれど、女優としてはどうかなと思っていましたが、

この作品では立派に強い母、母への思慕を演じきっています。