悲しくも美しい 『華麗なるギャツビー』

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今までに4度映画化されていますが、本作は3度目。

アカデミー賞衣装デザイン、編曲賞を受賞しています。

チャールズ・ブロンソンが昔CMしていたマンダム化粧品のギャツビーシリーズの語源だそうです。

 華麗なるギャツビー  THE GREAT GATSBY 1974年

   1920年代、ニューヨーク郊外ロング・アイランドに豪邸を構える、謎の富豪ジェイ・ギャツビー(ロバート・レッドフォード)。かつて貧しい青年だった彼は、恋人のデイジーミア・ファロー)に裏切られたことをバネに、財界でのし上がっていったのだった。そして、彼は、今は人妻となっているデイジーの心を再び取り戻したかに思えたが……。

   F・スコット・フィッツジェラルドの名作小説を、フランシス・F・コッポラが脚色、ジャック・クレイトンが監督したノスタルジックなロマン大作。淡い色彩がムードをあおりつつ、その中で繰り広げられる赤裸々な人間関係を巧みに中和。またブルジョワではない一般階層の青年(サム・ウォーターストン)を語り部に持ってきたことで、冷めた視点を一貫させている。そのほか、美男美女の主演ふたりを囲むキャストがブルース・ダーン、カレン・ブラック、スコット・ウィルソンなど、みな濃い個性派ばかりというのも不思議で面白い。(的田也寸志Amazon.co.jpより

デイジーの従弟であり、2人の仲立ちをするニックの視点で物語は進行します。

原作が有名な為か、映画の中ではギャツビーの過去、仕事など、あまり鮮明に描かれてはいません。

ギャツビーが隣人であるニックに心を許すのは、誠実なニックの人柄から想像出来ますが、

ニックがギャツビーに惹かれる過程もあいまいです。

ギャツビーの純粋さ、真摯さに惹かれているのは最後のモノローグでなんとなくわかる程度です。

その説明不足を補うのがキャストの良さ。

ロバート・レッドフォードは影がある一途でハンサムな青年。

女性も男性も惹かれるのも納得です。

現状に不満があっても、自分の生きてきた世界でしか生きられないデイジーミア・ファロー

大きな眼が不安や、不安定さを感じさせます。

彼女が娘に言うように「綺麗なおバカさん」

パステルカラーが似合う、美しい2人。

プールサイドでのキスシーン、部屋の中を色とりどりのシャツが飛び回るところ。

映像的に美しいシーンもたくさん。

そして、まるでこちらを見ているかのような、メガネの大きな広告塔が印象的でした。


村上春樹翻訳版も出たので、原作も読んでみたいですが、

キャッチャー・イン・ザ・ライ」も、まだ戸棚に積まれたままです(-_-;