ずっしり重い 『ウィンターズ・ボーン』
インディペンデント・スピリット賞では助演女優賞・男優賞受賞他多くの賞で候補や受賞をしています。
WINTER'S BONE 2010年 100分
あらすじ: ミズーリ州に住む17歳のリー(ジェニファー・ローレンス)は、心を病んだ母に代わって幼い弟と妹の世話に励み、その日暮らしの生活を切り盛りしていた。そんなある日、ドラッグの売人をしていた父親が逮捕され、自宅と土地を保釈金の担保にしたまま失踪(しっそう)してしまう。家を立ち退くまで残された期間は1週間、リーは家族を守るべく父親捜しの旅に出るが……。 (シネマトゥデイより)
日頃ハリウッドエンタメ系ばかり見ている自分には、
今までリアルな描写だったと思っていたものが、
インディペンデント系のリアルさの迫力の前では、
やはり手を加えられていたんだということが分かりましたね。
真のリアルさがここにはありました。
17歳のリーの住むミズーリー州山岳地帯
父親は逮捕され不在、母親は心の病で何も分からず、収入もない中で2人の兄弟の面倒をみています。
日本の山間部なら食物の栽培が何かしら出来そうですが、
そこには山しかなく、せいぜいリスを撃って肉にするぐらい。
TVや電話もなく、一部屋で雑魚寝の様な暮らし
それでも家があればなんとかなる。
その家を追い出されそうになり、保釈中行方不明になっている父を捜します。
ほとんど親戚のような狭い地域、どうやら皆すねに傷を持っているようで、
父親探しに協力するどころか、剣もほろろに追い返されます。
次第にリーは父親がもうこの世に居ないのじゃないかと思うようになるのですが・・・・・
『X-MEN ファーストジェネレーション』でミスティークを演じていたジェニファー・ローレンス
暴力にも負けず強い意志で行動するリーが時折見せる弱さが秀逸!
『チェンジリング』のデイル・ディッキーも受賞納得の迫力の演技でした。
どんよりとした空の色同様に、重苦しい雰囲気の中で、
壮絶な結末がリーを待っています。
貧困や薬物、地域コミュニティーのしきたりや掟を描いた社会派ドラマでありながら、
サスペンス的な要素もあり、怖いながらも先が気になる展開でした!
リーを含め、女性の強さや逞しさが印象的でしたね。