無の波間に漂う 『シングルマン』

 
グッチやイヴ・サンローランなどのファッション・デザイナー、トム・フォード初監督作
 
美しくスタイリッシュな住居、洋服、映像の中で、
 
コリン・ファースの静かな演技が光ります!
 
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                   A SINGLE MAN        2009年 101分
 
あらすじ: 1962年11月30日。8か月前に愛する人を失ったジョージ(コリン・ファース)は、この日で人生を終わらせようと、死の準備を着々と整えていた。ところが大学での講義は熱を帯び、いつもならうっとうしい隣の少女との会話に喜びを抱く。そして遺書を書き上げたジョージに、かつての恋人チャーリー(ジュリアン・ムーア)から電話が入り……。                                            (シネマトゥデイより)
 
 
LAで大学教授をしている英国人のジョージ、
 
住まいは建築家の恋人であり同居人のジムの設計したもの。
 
あまりにもモダンな住宅だったので気づくのが遅れたけど、時代は1962年
 
この時代にゲイで騒がれないのは、職業からか、LAだからなのか?
 
やはり同じ英国人の元恋人のチャーリーが、歩いて10分ほどの所に住んでいるのは、
 
多分偶然ではないだろう?
 
恋人ジムの突然の死によって、魂の抜け殻の様になっているジョージを見ながら、
 
そんなことをぼ~っと考える。
 
好きな仕事、恋人と友人に恵まれた静かで完璧な生活だったのだろう。
 
それが壊れた時、彼には生きている意味がわからなくなったのではないだろうか。
 
 
美しいものは美しいと感じ、美味しいものは美味しいと感じる
 
でもそこに魂はない
 
笑うことも出来るし、踊ることも出来る
 
でもそこに魂はない
 
その気になれば新しい恋人も
 
でも16年連れ添った恋人の変わりは見つからないし、見つける気もない
 
ジムが居ない世界に生きる理由が見つからない
 
 
そんな茫然自失のジョージをコリン・ファース
 
2009年第82回アカデミー賞主演男優賞にノミネート
 
惜しくも受賞は逃したけれど、素晴らしい演技でした!
 
ぷっくりしていた『マンマ・ミーア』の時からは随分シェイプした身体で、水中を漂うシーンも美しい
 
元恋人で親友のチャーリーにジュリアン・ムーア
 
 
教え子ケニーに『X-MEN ファースト・ジェネレーション』でビーストだったニコラス・ホルト
 
美しい映像とコリン・ファースの演技の調和を見る映画でしたね。