マリリンとミシェルの魅力あふれる 『マリリン 7日間の恋』
3本切りした中で一番印象に残ったのが、『マリリン 7日間の恋』でした!
MY WEEK WITH MARILYN 2011年米/英 100分
あらすじ:1956年、マリリン・モンローは、ローレンス・オリヴィエ監督・主演作「王子と踊り子」の撮影のためロンドンに降り立つ。演技派への飛躍を胸に、本作に並々ならぬ意欲を見せていたマリリンだったが、彼女の学んでいた演技法はオリヴィエによって否定されてしまい、様々なプレッシャーから遅刻も常習化していく。おまけに、結婚したばかりの夫アーサー・ミラーは、情緒不安定なマリリンを持て余し、さっさと帰国してしまう。そんな中、撮影がはかどらず苛立つオリヴィエからマリリンの見張り役を命じられる第3助監督のコリン・クラークだったが…。 (allcinemaより)
実はこれを見た前日に、『王子と踊り子』を見たんですよね、未見だったので。
おかげで、撮影シーンのジュディ・デンチの役がどうだったとか、
ドレスとか仕草とか比べて面白く観れたんですけど、
ミシェルが上手いのでその時々のマリリンの気持ちは凄く伝わってくるのに、
マリリンじゃないんですよね。
ケネス・ブラナーがローレンス・オリビエに似てなくても、
(ジュディ・デンチなんて似せようともしていないし^^;)
特に違和感は感じず受け入れられるんですけど、
頭ではこれはマリリンの話と分かっているのに、気持ちが違うと言ってるとでも言いましょうか、
不思議な感覚で観ました(・_・;)
だから話に入っていきづらいかというと、そんなことはなく、
マリリンが少しわかったような気になりましたね。
この映画は、ローレンス・オリヴィエ・プロダクションに入ったコリン・クラークの回顧録から作られていて、
コリンから見た『王子と踊り子』の撮影舞台裏話です。
舞台版では妻のヴィヴィアン・リーが演じていた役に、オリヴィエがマリリンを起用したのは、
映画では若い女優の方が良いだろうということと、
マリリンの人気にあやかって、自分の人気も取り戻そうという狙いがあったようです。
サー・オリヴィエほどの名優が人気のことを気にするなんて、と思いましたが、
自身のプロダクションも持っているとなると、そうも言ってられなかったのかもしれません。
マリリンがいつものチャームを映画でふりまいてくれるだけで良いくらいに思っていたんでしょうが、
マリリンは名優の前でガチガチに緊張して、演技どころか撮影所へも行けないありさま。
その極端な情緒不安定ぶりに、同行していた夫のアーサー・ミラーも逃げ出してしまい、
コリンにすがりつくマリリン、コリンとの恋で自信を取り戻し、撮影へ戻るマリリン
撮影が終わりプレッシャーから解放されると、コリンとの恋も終わりに。
ミシェル・ウイリアムズはほんとに良かったし、この役は彼女しか出来なかった気がしました。
ケネス・ブラナーもやはり上手かったですね。
ジュディ・デンチはとても優しい役柄でしたね。
コリン役のエディ・レッドメインは私は初めてなんですが、ピュアな感じが良く出てました。
ドミニク・クーパーは『キャプテン・アメリカ』でハワード・スタークでしたね。
監督は 長編映画は初のサイモン・カーティス
完成したフィルムを見て、結局マリリンに食われてしまったと悟るオリヴィエ。
天性の才能と不安定な心を持つマリリン。
マリリンにすがりつかれたら、どんな男性でもイチコロでしょうね。
ただ、彼女と暮らしていくには、自分をすべて差し出さないといけないですね。
アーサー・ミラーの「彼女に食い殺される」という言葉が、結婚生活が長続きしなかった原因でしょうね。
『王子と踊り子』と共通点があるストーリーも見事で、
大公と同じようにマリリン・モンローに魅了された作品でした。