家族の軋轢を糧に 『ザ・ファイター』
クリスチャン・ベイルの激痩せっぷりが怖くて、見逃していた1作(^_^;)
THE FIGHTER 2010年 116分
あらすじ:アメリカ、マサチューセッツ州。低所得者の労働者階級が暮らす寂れた街、ローウェル。兄ディッキーは、一度は天才ボクサーとしてスポットライトを浴びたもののドラッグで身を持ち崩してしまい、今ではあのシュガー・レイ・レナードからダウンを奪ったというかつての栄光にしがみつくだけの荒んだ日々を送っていた。一方、対照的な性格の弟ミッキーもボクサーとして活躍するが、自分勝手な兄とマネージャーでありながらマッチメイクに無頓着な母アリスに振り回され連敗続き。ミッキーの新たな恋人シャーリーンは、悪影響ばかりの家族から離れるべきだとミッキーを説得するが…。 (allcinemaより)
実在のプロボクサー、ディッキー・エクランドとミッキー・ウォード兄弟の話。
苗字が違うのは異父兄弟ってことですね。
とにかくこの一家がビックリ!
ミッキーの父ジョージと母アリス、この2人と前夫との間の子供が娘7人と、息子2人。
ミッキー・ウォードが今46歳ですから、兄弟の数は多い方でしょうね。
映画の中では詳細は分からないけれど、家族のシーンには7人の姉妹が必ず家に居ます!(・_・;)
まさか誰も結婚してないとか?( ̄▼ ̄|||)
人気者の兄ディッキーに、実直な弟ミッキー。
才能もあり一度はボクサーとして良いところまで行ったものの、ドラッグで身を持ち崩した兄
弟を応援しつつも、過去の栄光を忘れられない。
兄に習ったボクシングで昔の兄を目指す弟。
2人の息子を愛し過ぎて過保護な母。
家族を愛しているために、独り立ちしてチャンスを掴むことが出来ない弟に、
父親とガールフレンドが、立ち上がる力をくれる。
当初監督予定だった『レスラー』のダーレン・アロノフスキーが製作総指揮へ回り、
デヴィッド・O・ラッセルが監督。
ミッキー役は自らプロデューサーも務めているマーク・ウォールバーグ、
リアルなボクシングシーンのために雇ったトレーナー料が自分のギャラを超えたとか(^_^;)
役作りの為にまたまた激痩せして髪まで抜いたとか(゜ロ゜) ヒョオォォ!
いろいろ話題がありましたが、その甲斐あってかアカデミー作品賞他6部門ノミネート
クリスチャン・ベイルと母親役のメリッサ・レオが助演賞部門のダブル受賞
エンディングで実際のディっキーとミッキーの映像が流れるんですけど、
ベイルはかなり雰囲気つかんでました。
ボクシング映画に多いように、サクセスストーリーでもあるんだけど、
社会的にっていうよりは、自分の中での戦いに勝ったって話のように思います。
家族の絆や、自分にとって大切な物は何かっていう再生と自己発見の話でもあります。
中盤までは、ミッキーの足を引っ張るだけの家族と、その家族を捨てきれないミッキーに、
家族の為に潰されてしまうんじゃないかと、ドキドキしながら見ました(・。・;
仰々しくもウエットでもないけれど、真実の話のリアルさが伝わってきます。