『ミルク』 死を覚悟しながらもマイノリティのために戦った人生
『レスラー』も見たことだし、いい加減塗りつぶしをしなければ!
同年のアカデミー賞主演男優賞と脚本賞を受賞したたコチラ
MILK 2008年 128分
あらすじ:1970年、ニューヨーク。金融業界で働いていたハーヴィー・ミルクは、20歳も年下の青年スコット・スミスと出会い、恋に落ちる。2人は変化を求めてサンフランシスコに移住し、同性愛者も多く住む“カストロ地区”でカメラ店を開き、新生活をスタートさせる。陽気なミルクの人柄が多くの人を引き寄せ、いつしか店は同性愛者たちの社交場となっていく。それにつれてミルクは、同性愛者をはじめとした社会的弱者が抱える問題を改善するために積極的に活動するようになり、次第に政治に目覚めていく。そして、市の行政に直接関わるべく、ついには市政執行委員選挙にも立候補する。自由な空気漂うサンフランシスコとはいえ、同性愛者であるミルクの決断は周囲に大きな波紋を広げていく。 (allcinemaより)
自らゲイであることを公表し、ゲイをはじめあらゆるマイノリティの社会的地位向上のために立ち上がった
伝説の活動家ハーヴィー・ミルクの波乱に富んだ後半生を描いた伝記ドラマ
40歳の誕生日に出逢ったスコットと共に、NYからサンフランシスコのカストロという街に移住、
ゲイであることを隠すのをやめ小さなカメラ店を始める。
彼らのもとにはいつしかゲイの若者たちが集うようになり、
マイノリティの権利を認めさせるためには、誰かが政治から変えなければと市議に出馬
7年掛けてようやく当選したものの翌年凶弾に倒れる。
教職にある同性愛者を解雇できるという「条例6」を命を張って阻止
1999年にはタイム誌の選ぶ「20世紀の100人の英雄」に選ばれている。
ショーン・ペンがハーヴィー・ミルクを熱演、主演男優賞受賞
ハーヴィーの恋人スコットにジェームズ・フランコ
隣地区の市議ダン・ホワイトにジョッシュ・ブローリン、助演男優賞ノミネート
監督はガス・ヴァン・サント
ハーヴィーが撃たれたことは知っていたので、ドキドキしながら見てました。
彼の8年間の人生と共に、自分が暗殺された時に公表する録音テープの吹き込み場面が挟まれます。
ゲイ問題についてカリフォルニアは、理解ある土地だと思っていましたが、
70年代はまだまだそんなこともなく、ハーヴィーらの活動によって変わったのだと気付きました。
自分と違うものを恐れ排斥する気持ちは理解できますが、
この感情が未だにアメリカから銃を無くせない一番大きな要因でしょう。
ゲイの教師に教えられたら子供がゲイになるかもとか、
ゲイ教師を排除したら子供がゲイになることは無いとか、
馬鹿馬鹿しい理論で成立されかけていた法案、この法案を破棄に持ち込んだことは、
マジョリティがマイノリティを踏みつぶすような風潮に歯止めをかけたのだと思います。
ハーヴィーを撃ったのが狂信的なキリスト原理主義者ではなく、追い詰められた同僚議員だったのは
皮肉な結末でした。