『フローズン・リバー』 過疎や貧困の中でも母は強し
同年度アカデミー賞主演女優賞・脚本賞ノミネート作品
FROZEN RIVER 2008年 97分
あらすじ:カナダ国境近く、先住民モホーク族の保留地を抱えるニューヨーク州最北部の町。クリスマスも間近のある日、新居の購入費用をギャンブル依存症の夫に持ち逃げされた白人女性レイは、取り残された2人の子どもたちと共に途方に暮れていた。そんな中、夫の車を発見するが、運転していたのはモホーク族の女性。ライラと名乗る彼女は、車を盗んだのではなく拾ったと主張する。また、ライラも夫に先立たれたあと、幼い子どもを義理の母に奪われる辛い境遇を背負っていた。そんな彼女は、いつの日か子どもを引き取り一緒に暮らす夢を実現させるべく、車で凍ったセントローレンス川を渡り、カナダから不法移民を1人当たり1200ドルでアメリカ側に密入国させるという危険な裏の仕事に手を染めていたのだった。そして、その夜も裏の仕事で車が必要だったライラは、レイの事情を知ると共犯パートナーとして引き入れることに。人種の違いから始めは反発し合っていた2人は徐々に信頼関係を築き、無事に仕事を成功させるのだが…。 (allcinemaより)
幼い弟と妹の面倒を見ていたジェニファー・ローレンスが、家を取られそうになり必死で父親を探す話でした。
人間生きていくために最低限必要な衣・食・住、
食事も大事ですが、寒い地域では住むところがないと凍死の可能性も。
新しいトレーラーハウスを買うためにコツコツ貯めていた金を夫に持ち逃げされ、
5歳と15歳の2人の息子を抱えて途方にくれるレイ。
TVはレンタル、給料前の食べ物はポップコーンのみ。働いていてもそれが精いっぱい。
ネイティブ・アメリカンのライラは、借り物の小さいトレーラーで居留区の外れに住んでいる。
夫が亡くなった後義母に息子を連れて行かれ、息子を取り戻すために金が必要だった。
犯罪には手を染めたくないけれど他に道は無く、密入国の手引きをするようになるレイとライラ。
レイはトレーラーの資金が貯まったら手を引くつもりだった。
レイにメリッサ・レオ、『ザ・ファイター』の時のママとはまた違います。
ライラにミスティ・アッバム
監督・脚本はコートニー・ハント
2人の女性、白人とネイティブ、同じ地域で生活していても環境が違う2人。
打ち解ける気もなく、信用もしていないが、母親という点では同じ。
自爆テロを警戒して彼らの持ち物のバッグを捨ててしまうと、バッグの中身は夫婦の赤ちゃん!
すぐに捨てた地点まで引き返し、見つけた赤ちゃんの前で母親に戻る2人。
いつの間にか相手の境遇を思いやるまでになっていきます。
特に語られないのに彼女たちの感情の流れが見えるような演技と演出。
リアルでハード過ぎる人生の中で、小さい希望が見えるラストにホッとしました。