『アニマル・キングダム』 またヘビーな映画を見てしまった


プレシャス』とは状況が違うけど、これも過酷な環境の中の高校生の話。

アニマル・キングダム、野獣の王国に放り込まれた青年の生きる道の選択

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                                            ANIMAL KINGDOM   2010年オーストラリア 112分

あらすじ:オーストラリア、メルボルン。17歳の高校生ジョシュア(通称ジェイ)は、母と2人で穏やかな生活を送っていた。ところがある日、母が薬物の過剰摂取で急死してしまう。途方に暮れたジョシュアは、母が遠ざけていた実家の祖母ジャニーンに連絡を取り、彼女の家で暮らすことに。ジャニーンと3人の息子たちは、強盗や麻薬で生計を立てる犯罪一家だった。戸惑いながらも、普通の高校生活を送りはじめたジョシュア。だが、次第に一家の稼業に巻き込まれていく…。                                        (allcinemaより)


これ実話ベースなんですよね。実在の犯罪一家と警官殺人事件が基になってます。

ヘロインの過剰摂取で母親が亡くなり、途方に暮れたジョシュアは祖母に電話をする。

迎えに来た祖母に引き取られて向かった先は、祖母と3人の叔父が住む家。

彼らは強盗や麻薬売買などで生計を立てている一家だった。

問題ないように思われた同居も、一家の友人バリーが麻薬捜査班に射殺されてから事態が急変する。


アニマル・キングダムの一家の中心人物、通称”ポープ"の長男アンドリューが酷い奴。

ポープと呼ばれるからには家族を守っているのかと思えば、暴力的で後先考えのない行動を取り、

何か起こしてしまっても人のせいにする。家族も手を焼いている存在。

ベン・メンデルソーンの得体のしれない雰囲気が上手いですね。

そのポープの上を行くのが祖母のジャニーン。

ザ・ファイター』のメリッサ・レオ演じた母親を思いだしましたが、もっと怖いですね。

息子達を守る為なら、たとえ孫でも容赦はしない。


警官達も酷いですね。

汚職は珍しくもないですが、犯罪者は問答無用で撃ち殺すし、保身のためには殺人もいとわない。

保護している証人を命惜しさに見捨てさえします。

その中で独りまともな刑事ネイサンをガイ・ピアースが演じてます。

まるでゴッサム・シティのゴードン。

なんとかジョシュアを守ってやろうとします。

ジョシュアには新人ジェームズ・フレッシュビル、普段無表情な彼の感情が吹き出すシーンが印象的。

ジョエル・エルガートン、ルーク・フォード、サリヴァン・ステイプルトン

監督はデヴィッド・ミショッド


いきなり野獣の王国に放り込まれたジョシュア、

犯罪に巻き込まれて行くのが見ていて辛い!

ネイサン刑事から、守ってやるから家族から離れろと言われ迷うジョッシュア。

口封じのためジョシュアを追う家族達。

ジョシュアが生き残るために取った選択は正しかったのか、

野獣の王国で生き残るためには、そうせざる得なかった彼が痛々しく、

犯罪者一家の末路も物悲しい。

見てるのが辛いけれど、見ごたえのある作品でしたね。