『SHERLOCK』 ロンドンを疾走する、21世紀のシャーロック・ホームズ


昨夜地上波で『SHERLOCK』シリーズ1の最終話である第3話が放送されましたね。
 
以前書いた『SHERLOCK』の記事が簡単過ぎたので、これを機会にもう少し詳しく書こうと思います!
(完全に話したいだけ^^;)


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なぜこれほどハマってしまったのか?!
 
これまでのホームズ物であまり描かれなかったホームズとワトソンの私生活と友情に焦点を当てながらも
 
コナン・ドイルシャーロック・ホームズシリーズ(以下正典)の面白さを損なっていないところでしょうか。
 
むしろより面白くなっている♪( ̄∀ ̄*)イヒッ
 
というのも「シャーロック・ホームズが出会うのは“事件”ではなく“冒険”だ!」と考える正典のコアなファン、
 
プロデューサーのティーブン・モファットマーク・ゲイティス
 
正典の面白いところを取り出して組み合わせるアレンジをした脚本は、90分の尺で映画並みのクオリティ!
 
ロンドンの町並みの撮り方も美しく、カメラ割りはアーティスティックなのに説明無しでもわかりやすい構図。
 
(多用する携帯の画面を映す代わりに文字が直接画面に出るアイデアも流行りそう)
 
2011年英国アカデミー賞TV部門、作品賞とマーティン・フリーマン助演男優賞受賞、
 
ベネディクト・カンバーバッチは主演男優賞にノミネートされましたが受賞は逃しちゃいました^^;)
 
 

シャーロックとジョンや、正典でもお馴染みのキャスト・ハドソン夫人やレストラード達との絡みも最高!
 
ベネディクト・カンバーバッチ演じるシャーロック・ホームズは、頭脳明晰だけどストレート過ぎる物言いで、

友達が出来ないタイプ(逆に逃げていく^^;)、若くまだまだ荒削りな世界で唯一のコンサルティング探偵(自称)
 
ジョン・H・ワトソン医師役にはマーティン・フリーマンベネディクトとの相性もバッチリ。
 
彼を人間らしく導くモラリスト、女性にかなり積極的(ゲイ疑惑を打ち消したいという強迫観念からかも^^;)
 
レストラード警部にルパート・グレイブス、ドノバン刑事や鑑識のアンダーソンらが嫌うシャーロックを信頼。
 
私は家主で家政婦ではありませんが口癖の.ハドソン夫人にユーナ・スタッブズ

シャーロックの兄マイクロフト・ホームズはプロデューサーでもあるマーク・ゲイティス
 
シャーロックに片想いのモリーフーパーはルイーズ・ブリーリー
 
シャーロックの対極の存在ジム・モリアーティにアンドリュー・スコット、主演2人を食うほどの強烈なキャラ。
 
 

以下、ネタバレで各エピソードについて書きますのでこれから見るつもりの方はスル~してください!
 

EP1「ピンク色の研究」 "AStudy in Pink" 脚本:スティーブン・モファット 監督:ポール・マグイガン
 
あらすじ:ロンドンで不可解な連続自殺事件が発生。早々に自殺ではないことに気付いた自称コンサルタント探偵であるシャーロック・ホームズはレストラード警部に事件調査をすることを申し出る。
アフガニスタンから負傷して戻ってきた軍医ジョン・ワトソンは、学生時代の同級生スタムフォードに偶然出会い、ルームシェアの相手としてシャーロックを紹介される。ジョンを一目見たシャーロックは彼が戦場帰りであることをあっさり見抜き、ジョンを驚かせる。
やがて4人目の自殺者が発見され、レストラードから捜査を依頼されたシャーロックはジョンも同行するように誘うのだった。


 
これは正典の「緋色の研究」”A Study in Scalet"から。ホームズとワトソンが出会うシリーズ第1作目。
 
オリジナルを上手くアレンジした脚本ですが、シャーロックとジョンが知り合うくだりはまさに正典そのまま。
 
(ジョンがアフガニスタンから戻ってきた設定が、現代でも通用するところが皮肉です)
 
ホームズ・ワトソンからシャーロック・ジョンとなり、パイプがニコチンパッチに変わったなどの違いはあり。
 
正典では復讐話なのですが、説明のため過去について語る部分がちょっとだるい(^_^;)ので、
 
現代版ではシリアルキラーにしているところが上手いですね。
 
ちなみに、正典の犯人は辻馬車の御者、現代版ではタクシーの運転手、

動脈瘤があって死を覚悟の前の犯行も、毒薬とそうでない丸薬を選ばせて飲ませる殺し方も正典に同じ。
 
面白いのは殺人現場に残った"Rache"という文字。
 
正典ではレイチェルを捜そうとするレストラード達を、ドイツ語の復讐という意味だからと止めるホームズ、
 
真逆アレンジでしたね( ̄ー ̄)ニヤリ
 
早くも黒幕としてモリアーティの名前が出てきます!
 

EP2「死を呼ぶ暗号」"TheBlind Banker" 脚本スティーヴ・トンプソン 監督ユーロス・リン
 
あらすじ:夜間の銀行の一室に何者かが侵入し、壁に黄色のペンキで意味不明のメッセージを残していった。シャーロックはすぐにメッセージが、銀行で働くヴァン・クーンという人物当てだと推理。だがすでにヴァン・クーンは自宅で死んでいた。さらにジャーナリストのルーカスも同様のメッセージを見た後に殺される。2人とも殺害現場は密室だった。
2人の接点が中国からの密輸と突き止めたシャーロックだが、メッセージの暗号解読に行き詰まる。
 

「恐怖の谷」と「踊る人形」を下敷きにしたオリジナルストーリー。
 
ルームシェアにも慣れてきて、シャーロックにこき使われる日々のジョン。
 
新しく仕事も見つけ、事件捜査の合間にデートまで取りつけるが、シャーロックのために危ない目に!(・_・;)
 
正典のホームズは剣術や拳闘をたしなみ、日本武道のバリツを修めていて強いはずなのですが、
 
シャーロックはあんまり~(^_^;) ロバート・ダウニー・Jr.版の様に武闘派には見えません。ヾ(;´▽`Aアセアセ
 
結局ジョンがいつも活躍している様な~(^_^;)
 
 
EP3「大いなるゲーム」"TheGreat Game" 脚本マーク・ゲイティス 監督ポール・マグイガン
 

あらすじ:シャーロックは興味をそそる難解な事件が起こらず、退屈しきっていた。兄マイクロフトが公務員の死と国家機密データに関わる事件の調査依頼にくるが、受ける気は毛頭ない。
同じころ、アパートの爆破事件現場でシャーロック宛ての封筒が見つかる。中には携帯電話。携帯のメッセージが示していたのは、5つの爆破殺人の予告と謎解きの挑戦だった。人質の命をかけ、シャーロック対謎の爆弾魔の頭脳ゲームが始まる。

 

兄マイクロフトが持ち込んでくる事件が正典の「ブルースパーティントン設計書」
 
携帯へ送られてくるメッセージの、時報の音が5つ鳴るのは「オレンジの種5つ」から。
 
正典では浮浪児たちに情報収集させるホームズ、シャーロックはホームレスを使います。

シリーズ1の最終話ともなり、グッとシリアスな展開。
 
爆弾魔がシャーロックに人命が掛っているゲームをしかけてくる。

ゲームを楽しんでいるかのようなシャーロックに苛立つジョン。
 
シャーロックの倫理観に対するジョンとの会話が多いこのエピソード、
 
シャーロックが人命救助より爆弾魔であるモリアーティとの対決を楽しんでいるというジョンに対して、
 
「ヒーローに仕立てあげるのは止めてくれ!ヒーローなんて居やしないんだ!もし居るとしても自分ではない!」

と言うシャーロック、次シリーズへの伏線になっています!
 
いよいよモリアーティとの対面、そしてプールサイドでのクリフハンガーな終わり方

リアルタイムで観ていた人はシリーズ2まで1年引っ張られ、(;゜;д;゜;)はううとなっていたに違いない!


EP1でジョンが調べて見つけたシャーロックのWebサイト"The Science of Deduction"(推理の科学)
 
今回もモリアーティとの連絡に使われますが、これ実際にサイト↑あります!

(もちろんBBCが放送にあわせて作っています^^;)
 
レストラードたちも読んでいるジョンのブログももちろんあります!(実はモリーのブログもあります^^;)
 
BBC版は英語ですが、翻訳版アメブロに! (コメント欄の内容は全く同じではない様ですが)

もっと詳しくいろいろ知りたい方は、上の写真のケースブック(ジョンが事件をまとめているノートに

シャーロックが落書きをしたという設定の本)を翻訳した方のサイトへど~ぞ! 
 



地上波でのシリーズ2の放送は未定とのこと、待てない方はレンタルに走りましょう!