『リンカーン』 名演が光る人間ドラマ
全米公開から半年ほど遅れてようやくの日本公開
共演のサリー・フィールドやトミー・リー・ジョーンズなども多くの賞でノミネートや受賞していて、
観るのを楽しみにしていました。
歴史物は難しいと思ってしまいがちですが、リンカーンという人物の人柄、
自分の信念を貫ぬいた人の人間ドラマであり、駆け引きの政治ドラマでもありましたね。
LINCOLN 2012年 150分
あらすじ:南北戦争末期。国を二分した激しい戦いは既に4年目に入り、戦況は北軍に傾きつつあったが、いまだ多くの若者の血が流れ続けていた。再選を果たし、任期2期目を迎えた大統領エイブラハム・リンカーンは、奴隷制度の撤廃を定めた合衆国憲法修正第13条の成立に向け、いよいよ本格的な多数派工作に乗り出す。しかし修正案の成立にこだわれば、戦争の終結は先延ばししなければならなくなってしまう。一方家庭でも、子どもの死などで心に傷を抱える妻メアリーとの口論は絶えず、正義感あふれる長男ロバートの北軍入隊を、自らの願いとは裏腹に黙って見届けることしかできない歯がゆさにも苦悩を深めていく。そんな中、あらゆる手を尽くして反対派議員の切り崩しに奔走するリンカーンだったが…。 (allcinemaより)
映画は再選され任期2期目に入ったリンカーンが、
本人のスピーチシーンは出てこないのですが、もっと印象的に語られ、
もうこの時点で既に(; _ ;)うるうるきてしまいました(^^ゞ
3年前の奴隷解放宣言で、1部の奴隷は解放され自由人となっていたが、
下院での可決を得るために戦っていた。
周囲から無理だと言われ続けても、彼は決して信念を曲げなかった。
長い南北戦争にどちらも疲れきっていて、お互いに早く終わらせたいという気持ちはあるものの、
奴隷制度を続けたい南部と反対する北部。
現代とあまりにも違う当時の状況に驚きます。
戦争を終わらせるのが先か、奴隷制度を廃止するのが先か、
その狭間で苦悩するリンカーンを中心に、周囲のそれぞれの思惑が描かれます。
リンカーンにダニエル・デイ・ルイス、予告を観ている時はそれほどピンと来てなかったんですが、
どれくらい似ているかとかはあまりわからないのですが、違和感がまったく無く、
す~っと映画に入り込めました。
違和感を感じでいましたが、それがまったくなかったです。
妻メアリー役のサリー・フィールドも素晴らしかったですが、
本当に素晴らしかったですね。寡黙な役のイメージが強い彼ですが、
この映画では雄弁でありながらも、内面にある想いを隠してという役どころを演じて印象的でした。
黒人兵士にデヴィッド・オイェロウォ、南部代表のジャッキー・アール・ヘイリーなどのキャストの中で、
一番驚いたのがジェームズ・スペイダー、出ているのは聞いていたんですけど気付かず(>_<)
エンディングで役名を見て、エエェーー!!(゜ロ゜ノ)ノ い、いつの間にあんなに・・・・・(-_-;)
監督・製作はもちろんスティーヴン・スピルバーグ。
戦争のシーンは案外少なかったですね。少ないシーンが効果的に使われていました。
ユーモアと笑顔に溢れ、シリアスな場面でもニコニコしながら面白い話をしていたり、
周囲に対して優しく子煩悩なところが見えたり、同時に内面の葛藤や苦悩も見せます。
同じ党内でも賛成派反対派が居て、それぞれに主義主張があり、そこをそう懐柔していくか。
結果は分かっているのに、緊迫した状況での政治の駆け引きにドキドキしながら見守りました。
ダニエル・デイ・ルイスの史上初3度目のオスカー受賞も納得。
周囲の名演も光り、150分の尺はまったく気にならなりませんでした。
物凄く見応えあります!ぜひ♪