『ぼくたちのムッシュ・ラザール』 良い教師とは。


HDD録画消化中 第84回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品

ぼくたちのムッシュ・ラザール

イメージ 1
                   MONSIEUR LAZHAR     2011年カナダ 95分

あらすじ:カナダ、モントリオールの小学校。ある朝、教室で担任の女性教師が首を吊って死んでいるのが発見される。運悪く2人の生徒、シモンとアリスがその現場を目撃してしまい、心に深い傷を負う。学校側は生徒の心のケアに追われ、1週間たっても後任捜しがはかどらなかった。そこへ、募集広告を見たアルジェリア系移民の男性、バシール・ラザールが現われ、すぐに教員として採用されることに。最初は、その時代遅れの授業内容と指導方法に戸惑いを見せる生徒たちだったが、誰に対しても真摯に接するラザール先生にいつしか生徒たちも心を開いていく。その一方、シモンは平静を装いながらも、担任教師の死に深く苦しめ続けられていた。そしてラザール先生もまた、誰にも言えない秘密を抱え、悲しみを乗り越えられずにいたのだが…。                                      (allcinemaより)


牛乳当番だったシモンが朝早く教室へ行くと、担任教師が首を吊って死んでいた。
教師たちは生徒に現場を見せまいとしたが、アリスも目撃してしまう。
小学校では動揺している生徒にカウンセラーを受けさせながら、代わりの教師を探していた。
バシール・ラザールという男性が現れ、教師として採用されるが、
彼はアルジェリアからの移民で、難民認定を申請中だった。

生徒と教師の交流をとおして、現代の社会問題も浮き彫りにした作品。
それぞれが経験した喪失を、乗り越えていく。

バシール・ラザールににアルジェリア出身のフェラグ
監督はフィリップ・ファラルドー

大好きだった先生が死んでいるところを見た子供のトラウマの深さ。
その悲劇を思い出さないように封じ込めようとする学校側と、
事件について話をする事によって悲しみから救おうとするラザール。
ラザール自身もテロによって家族を失くした悲しみから立ち直れていなかったが、
子供たちとの交流によって次第に変わってきます。
ラザールは自国では教師ではなかったのに、奥さんの職業だった教師の道を選んだのは、
愛する者をなくした子供達をほおっておけない気持ちと、
自分自信に対しても必要なことだったのだろうなと思うと切ない気持ちになりました。
移民や人種、教育や心のケアなど、いろいろなテーマを盛り込んでいながら、
自然な語り口で重苦しくなく描いています。
少し寂しいラストながら、良い映画でした。
子供たちの演技も素晴らしいですよ。