『ヤコブへの手紙』、『人生に乾杯!』、『少年と自転車』


HDD録画消化中
いろんな国の映画3本立て

ヤコブへの手紙

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POSTIA PAPPI JAAKOBILLE/LETTERS TO FATHER JAAKOB
  2009年フィンランド 75分

あらすじ:服役12年目にして突然恩赦を与えられた終身刑の女性レイラ。出所したものの身寄りのない彼女は、不本意ながらも所長に勧められた盲目のヤコブ牧師のもとで住み込みで働くことに。ヤコブ牧師のもとには毎日多くの相談の手紙が届けられていた。レイラの仕事は、その手紙を読み上げ、ヤコブ牧師の返事を代筆するというもの。しかし心の荒んでしまったレイラは、そんな簡単な仕事にも身が入らず、手紙の束を勝手に捨ててしまう始末。そんなある日、毎日必ず届いていた手紙が、一通も来なくなってしまう。思いがけない事態に、自分でも意外なほど落胆してしまうヤコブ牧師だったが…。     (allcinemaより)


静かに淡々と進む話。
主要人物は3人ほど、高齢で盲目のヤコブ牧師、終身刑から恩赦で出所したレイラ、郵便配達人。
牧師の元には毎日悩み相談の手紙が届く。
手紙を読んで返事の代筆をするレイラ。
ある日急に手紙が来なくなり、自分が生きている意味を考えるヤコブ牧師。
生を諦め惰性で生きていたレイラだったが、日に日に精気が無くなるヤコブ牧師を元気づけるため、
郵便配達人に手紙が来たふりをしてもらうことに。
来ていない手紙を読むふりをするレイラの嘘を見破るヤコブ牧師に、
思わず自分からの手紙を読みあげてしまうレイラ。
それぞれの心の葛藤や移り変わり、最後には救いまで75分で十分に描いた作品。



人生に乾杯!

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    KONYEC     
2007年ハンガリー  107分

あらすじ:ヨーロッパの小国ハンガリー社会主義国だった1950年代に運命的に出会い、身分の差を乗り越えて結ばれたエミルとヘディ。それから幾年月が経ち、いまでは81歳と70歳の老夫婦となったふたり。世の中もすっかり様変わりし、年金だけでは生活が立ち行かず、借金の取り立てに追われる無慈悲な老後を送っていた。そんなある日、ふたりの出会いのきっかけとなったヘディの大切なイヤリングまで借金のカタに取られる事態に。見かねたエミルは年代物の愛車チャイカに乗り込むとひとり郵便局へと出向き、ついに強盗を決行。最初は当惑気味のヘディもやがて夫と合流、ふたりは手を取り合って逃避行へと繰り出すが…。                                             (allcinemaより)


年金暮らしのエミルとヘディ夫妻。倹しい暮らしでも年金だけでは生活できず、
ある日借金の方にヘディの大事なダイヤのイヤリングを取り立てられてしまう。
その状況にキレてしまったエミルは80歳にも関わらず、ソ連時代からの愛車とトカレフで郵便局強盗。
犯行を続けるエミルを見て、高齢者たちが次々に同調し始める。

ハンガリーの社会問題を絡めたクライム・コメディ。
老夫婦版『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』という感じも(^_^;)
老夫婦と警官カップル、逃げる側と追う側をとおして、
人生のパートナーに求めるものと何が大切なのかも描かれている。
貧困からの犯罪なのに悲壮感はあまりなく、ハートウォーミングな作品。




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LE GAMIN AU VELO/THE KID WITH A BIKE  
2011年ベルギー/フランス/イタリア 87分

あらすじ:もうすぐ12歳になる少年シリル。父親は彼を児童養護施設に預けたまま行方知れずに。シリルは自分が捨てられたとは露とも思わず、父親を必死で捜し続ける。そんな中、美容師のサマンサと出会う。彼女は、なくなった大切な自転車を取り戻してくれた。そしてシリルは、サマンサに週末だけの里親になってくれと頼み、2人で父親捜しを続ける。やがて、ようやく父親を見つけ出し、再会を果たしたシリル。ところが父親は喜ぶどころか、シリルをすげなく拒絶してしまう。サマンサはシリルを心配し、それまで以上に彼の世話を焼くようになるのだが…。                             (allcinemaより)


母を亡くし父親に捨てられた少年シリルと偶然知り合ったサマンサ。
シリルに請われるままに里親になり、恋人から自分かシリルかと選択を迫られてもシリルを選ぶ。
サマンサに少しづつ心を開いて行くシリルだったが、
街のチンピラに目を付けられ、犯罪に加担してしまう。

些細な出会いで子供を引き取るサマンサに驚く。
捨てられた事を認めず父を信じていたシリルを立ち直らせ、
彼が犯した罪からも目をそむけず、償いをするサマンサは本当の母親の様。
あっさり息子を捨てる父親や、シリルに殴られた相手の親子など、
それぞれの親子関係や子供の守り方など、考えさせられるものあり。

サマンサに『ヒア アフター』のセシル・ドゥ・フランス、『ある子供』のジェレミー・レニエなど。
監督は『ある子供』のダルデンヌ兄弟