『サラの鍵』 納屋に封印された過去


内容をよく知らず、題名に聞き覚えが有るものを録画していたのですが、
内容は深刻なものの、ミステリー・ドラマとして興味深い映画でした。

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ELLE S'APPELAIT SARAH 2010年仏 111分

あらすじ:夫と娘とともにパリに暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリア。ある日、自分たちのアパートのかつての住人が、1942年にフランス当局によるユダヤ人迫害事件によってアウシュビッツに送られたユダヤ人家族だったことを知る。フランス警察による一斉検挙の朝、10歳の長女サラは、弟を守るため納戸にかくまい鍵をかける。すぐに戻れると思っていたサラだったが、他の多数のユダヤ人たちとともにすし詰めの競輪場に隔離された末、収容所へと送られてしまう。弟のことが心配でならないサラは、ついに収容所からの脱走を決意するが…。(allcinemaより)


2006年出版のタチアナ・ド・ロネによる世界的ベストセラーの映画化。
ナチス占領下でフランス警察がユダヤ人を大量検挙した「ヴェル・ティヴ事件」を取り上げている。

最初は1942年の話で始まります。パリで暮らしていたスタルジンスキ一家は突然警官に連行され競輪場に隔離される。捕まる前に咄嗟に弟を納屋に隠したサラは、弟が心配で病気になるほど苦悩し、・・・・・。
そして話は変わり現代のパリ、夫の祖父母が住んでいたというアパートへ引っ越してくることになったジュリア。ジャーナリストである彼女はヴェル・ティヴ事件を調べるうちに、祖父母が手に入れる前のアパートに住んでいたのはユダヤ人ではないかと疑い始める。

主要キャストで知っているのは3人。
ジュリア役のクリスティン・スコット・トーマス、サラの養父となるデュフォール氏に『預言者』『戦火の馬』のニエル・アレストリュプ、サラの息子ウィリアムにエイダン・クイン、ふくよかになっているけど、相変わらずハンサムでカッコ良いです。
監督はジル・パケ=ブランネール

最初はサラの悲劇だけで話は終わるのかと思っていたら現代の話が出てきて、ジュリアが地道に関係者に話を聞きながら遡るサラの生涯がミステリーの様でした。
平行してフランス人と結婚したアメリカ人ジュリアの現在の夫や娘や義両親や義祖母との生活も描かれ、アメリカ人としてのジュリアの考え方の違いや孤独感など、ジュリアがなぜサラにそれほど執着したのかもわかるような気がしました。
最後のエイダン・クインの涙がジュリアとサラの気持ちを引き受けたかの様でした。