『小さいおうち』『舟を編む』


黒木華が出ている2作品。
1本目は昨年の第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出され、黒木華が最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した『小さいおうち

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THE LITTLE HOUSE 2013年日 136分

あらすじ:大学生の健史は、亡くなった大伯母・布宮タキから彼女が遺した自叙伝を託される。そこには、健史が知らない戦前の人々の暮らしと若かりしタキが女中として働いた家族の小さな秘密が綴られていた――。昭和初期、山形から東京へと女中奉公に出たタキは、小説家の屋敷に1年仕えた後、東京郊外の平井家に奉公することに。その家は、赤い三角屋根が目を引く小さくもモダンな文化住宅。そこに、玩具会社の重役・雅樹とその若い妻・時子、そして幼い一人息子の恭一が暮らしていた。3人ともタキに良くしてくれ、タキはそんな平井家のためにと女中仕事に精を出し、とりわけ美しくお洒落な時子に尽くすことに喜びを感じていく。ある年の正月。平井家に集った雅樹の部下たちの中に、周囲から浮いた存在の青年・板倉正治がいた。美術学校出身の心優しい板倉に恭一がすぐに懐き、時子も妙にウマが合って急速に距離を縮めていくが…。(allcinemaより)



第143回直木三十五賞を受賞した中島京子の同名小説の映画化。原作は未読。
映画では、妹の孫の健史から自叙伝を書くことを勧められたタキが、戦前女中奉公をしていた”赤い三角屋根の小さいおうち”での生活を回想する形で話が進みます。

昭和のタキに黒木華、現代のタキに倍賞千恵子、健史に妻夫木聡、タキの奉公先の奥様に松たか子、夫に片岡孝太郎、夫の部下板倉に吉岡秀隆など。
監督は山田洋次

昭和初期の人々の暮らしが描かれる中で、人間ドラマがあり、終盤に向けてはミステリーの様相もありで面白かったです。朝ドラで見ていた黒木華は、クラッシックな顔立ちで選ばれたとのこと。一生懸命女中として働きながら、奉公先の家族への献身や淡い恋心まで見せます。奥様役の松たか子は舞台女優でもあるので滑舌が良いしよく通る声で良いですね。回想シーンの現代のタキと健史のやりとりもほのぼのしていて、タキの人柄がわかります。この映画でも戦争の悲劇が描かれていますが、決して暗いイメージは無く、甘酸っぱい様な気持ちで見終えました。






舟を編む

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The Great Passage 2013年日 133分

あらすじ:1995年。玄武書房に勤める青年・馬締光也は、真面目すぎる性格ゆえに営業部で浮いた存在。そんなある日、彼は言葉に対するセンスを買われて辞書編集部に異動となる。迎えたのは、定年間近のベテラン編集者・荒木やお調子者の西岡ら個性あふれる面々。辞書編集部では現在、新しい辞書『大渡海』の編纂に取り組んでいた。馬締は彼らを通して辞書の世界の奥深さに触れ、辞書作りに没頭していく。そんな馬締がある夜、下宿先の大家と同居することになった板前修行中の孫娘・林香具矢と出会い、一目惚れしてしまう。言葉を扱う仕事をしていながら、彼女にうまく自分の思いを伝えられず苦悶する馬締だったが…。(allcinemaより)



2012年本屋大賞第1位に輝いた三浦しをんの同名ベストセラーの映画化。
辞書作りの過程の中で、編集部の人間模様や主人公の恋のゆくえも描かれる。

真面目な馬締光也に松田龍平、彼が恋する香具矢に宮崎あおい、編集部のメンバーにオダギリジョー小林薫加藤剛黒木華。他、八千草薫池脇千鶴鶴見辰吾など。
監督は『川の底からこんにちは』の石井裕也

PCの出始めの時期とは言え、辞書を作るのに十数年掛かるというのにまずビックリ!
それだけこだわりを持って作っているということ。経費が掛かり過ぎるので出版社としては面白くなく、旧館ではみ出し者が集まって地道にやっています。
最初はバラバラに思えた辞書編集部が、馬締の加入によってまとまってくるところや、真面目だけど変わり者の馬締の恋など、取っ付きやすい内容にも親しみが持て、本屋大賞も納得のストーリー。これを見ると、辞書に対する印象が変わりますね。




この2本はどちらも良かったですね♪