『アルバート氏の人生』 自分らしく生きるとは


グレン・クローズ
が1982年に舞台で演じ、構想30年で映画化にこぎつけた作品。
アカデミー賞主演女優賞助演女優賞、メーキャップ賞3部門ノミネート。

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ALBERT NOBBS  2011年アイルランド 113分

あらすじ:19世紀のアイルランド。長年モリソンズホテルで働くアルバート氏は、常連客からの信頼も厚い優秀なベテラン・ウェイター。しかし私生活では人付き合いを避け、固い殻に閉じこもった孤独な生活を送っていた。なぜなら、アルバート氏は女性だったのだ。男を装うことは、孤児だった彼女が貧しさから抜け出す唯一の道だった。そんなある日、自分らしく生きるヒューバートと出会い、自分を偽り続けてきた彼女の心に大きな変化が訪れるのだが…。(allcinemaより)


女性が一人で生きていくのが難しい時代、男装して働いているということだけの知識で見ましたが、あまり内容は知らずに見たほうが良い映画ですね。

アルバート氏はホテルのウェイターとして働いていますが実は女性。ホテルのオーナーから塗装職のヒューバートを部屋に泊めるよう言われ、女性であることがバレてしまう。そこからヒューバートとの付き合いが始まり、自分の将来についての夢が膨らんでいく。

アルバート氏にグレン・クローズ。脚本・制作・主演の3役。この映画で6度目のアカデミー賞ノミネートとなりましたが受賞にはならず。幅広い役柄を演じる方ですが、まだ無冠というの意外でした。この映画では控えめで誠実な男性になりきっています。共演のジャネット・マクティア助演女優賞ノミネート。他にはミア・ワシコウスカアーロン・ジョンソンブレンダン・グリーソンなど。
監督はガブリエル・ガルシア=マルケスを父に持つロドリゴ・ガルシア

人付き合いを避け、孤独でストイックに暮らしていたアルバートは自分の煙草屋を持つのが夢でしたが、ヒューバートとの付き合いにより、もう一つの夢も膨らんでいきます。アルバートにとって、夢を見ない方が穏やかな生活を送れたはずですが、孤独だけど穏やかな生活が良かったのか、一時でも満ち足りた夢を見られたから良かったのか、『鑑定士と顔のない依頼人』を思い出しました。
最後はあっけない様な、切なすぎる様な、でも救いがある様でもありました。