ナショナル・シアター・ライブ「ハムレット」字幕の有難さ( ̄∀ ̄*)イヒッ


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ウィリアム・シェイクスピアの4大悲劇の1つ「ハムレット」を、製作ソフィア・フリードマン、演出リンゼイ・ターナー、主演ベネディクト・カンバーバッチで、昨年ロンドンのバービカン・シアターで8月から10月の3ヶ月間公演された舞台Hamlet
その舞台を臨場感そのままに収録したナショナル・シアター・ライブ版ハムレットを観てきました。

実際にバービカンで舞台を観た時は、良い席でバッチリ観えていたつもりでしたが、
やはりアップになるとどれだけ繊細な演技をしているかがよくわかりますね。
演出は賛否両論あるようですが、ベネディクトの演技へは高評価なのも、他のキャストの皆さんの熱演ぷりもよくわかりました。

また、固定された座席からでは見えなかった場所の細かい演出にも気付くことができました。今回の上映ではアップのシーンの時は舞台全体が見られないけれど、逆に見せてくれたと感じるものもありました。

このナショナル・シアター・ライブでは、まず本編上映の前に、
メルヴィン・ブラッグによるベネディクト・カンバーバッチへのインタヴュー映像、
その後、ベネディクトが学校を訪問し、子供達が演じるハムレット(かなり前衛的?)を鑑賞するシーンが流れます。

本編はその後、舞台が始まる前のバービカン・シアターの客席が映り、その観客たちと一緒に舞台を観始める感じで始まります。

2時間ほどで1幕が終わり、20分の休憩時間にもまた客席が映ります。
20分をタイマーで表示しながら観客がそのままずっと映っています。
この間もちろんトイレや売店に行けます。川崎では再入場の際チケットも確認されず、大丈夫かいなって思っちゃいました(・_・;


ここからは内容にふれていますので、真っ白な状態で観たい方はスル~で。


ハムレットの舞台を観るのはこの作品が初めてだし、映画版もほとんど見ていないので、構成の違いがさっぱりわからなかったのですが、大体城壁の歩哨のシーンから始まるようですね。
パンフレットの松岡和子さんの記事によると、セリフも構成もかなり大幅にアレンジされていると。
この舞台では、ハムレットが父王の死を嘆いているシーンで始まります。
しかも父親の遺品とみられるレコード、ナット・キング・コールの"ネイチャー・ボーイ"を聴きながら。
オフィーリアがカメラ女子だったり、衣装も今の普通の服装が中心。
セットは大広間のベースのまま、照明で屋外に見立てたりと変幻自在。
演出で目立つのは、ハムレットが考えていることを言うシーンでは周囲がスローモーション状態に。
こういうのは百聞は一見に如かず。

1幕の最後は自分がしたことを劇で見せられたクローディアスの独白シーン、
風で砂埃が舞い込む演出がカッコイイ。

2幕は1幕とセットの雰囲気がガラッと変わり、土で覆われているのにまず驚きます。
ここからは一気に話が進む感じがします。
精神が壊れてしまったオフィーリアがトランクを引っ張ってくるシーン、舞台を見た時はトランクの中身がよくわからなかったのですが、カメラと撮りためた写真でした。それを見たガートルードが深刻さに気づいて彼女を追いかけますが、時既に遅し。この時オフィーリアの髪が、一部禿げたようなメイクをしてあるのに気付きました。


カーテンコールで、ナショナル・シアター・ライブ向けの、舞台でもしていた難民のための募金のお願いがありました。
塵が顔についたまま話しているのが可愛らしい♪


今回の上映の一番は、やはり字幕ですよね!( ̄∀ ̄*)イヒッ
熱演はわかってもセリフがわからないと、もひとつ胸に響いてなかったみたいで、
今回観た方が感動しました(・・A;)あせあせ
そしてこのハムレットは、死への憧れを強く感じさせ、生きるべきか死ぬべきかのセリフに、なるほど~と思いました。

ベネディクト以外のキャストにはそれほど集中していなかったようで、(・・A;)
発見もいろいろありました。
舞台を観た時の感想でも書きましたが、父親の亡霊と墓掘りの2役のカール・ジョンソン(「フランケンシュタイン」の盲目の老人)さんのユーモラスさが良いですね。オフィーリアのシアン・ブルックやレアティーズのコブナ・ホールドブルック・スミスも印象的、ホレイショーのレオ・ビルは訛りが強くて、彼もユニークでした。
逆にローゼンクランツ=マシュー・ステアー、ギルデンスターン=ルディ・ダーマーリンガム、フォーティンブラス=サーゴー・ベーズらは出番が少なかったですね。
他はクローディアスのキーラン・ハインズ、ガートルードのアナスタシア・ヒレ、ボローニアスのジム・ノートンらベテラン勢。

先にも書きましたが、日本版パンフレットは松岡和子さんの記事は良かったけど、
キャストも一部しか紹介していないしペラペラ(>_<)
さすがに舞台版パンフレットの翻訳版は作ってくれないか。(-_-;)

上映館は少ないし、お値段も高いので、なかなかお勧めしにくいですが、
また再上映もあると思うので、その時はまたお知らせしたいと思います。