『ブラック・スキャンダル』 キャストと演技は良いのだけれど


ジョニー・デップ主演なので地元でも30日から公開しているのですが、
日曜日に試験のため大阪へ行っていまして、試験後に観た1本目。

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BLACK MASS  2015年 123分

あらすじ:1975年、サウスボストン。アイリッシュ系ギャングのボス、ジェームズ・バルジャーは、イタリア系マフィアと激しい抗争を繰り広げていた。一方、弟のビリーは、州の有力政治家として活躍していた。そこに、バルジャーの幼なじみジョン・コノリーがFBI捜査官となって戻ってきた。折しもFBIはイタリア系マフィアの掃討を目標に掲げており、功名心にはやるコノリーは、バルジャーにある提案を持ちかける。それは、バルジャーがFBIの情報屋となり敵の情報を流す代わりに、FBIは彼の犯罪を見逃す、という驚愕の密約だったのだが…。(allcinemaより)



FBIの最重要指名手配犯となった実在する伝説のギャング、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャー。
ボストン・グローブの記者ディック・レイアとジェラード・オニールのノンフィクション「Black Mass: The True Story of an Unholy Alliance Between the FBI and the Irish Mob」が原作の実話ベースのお話。

現在も収監中のジェームズ・バルジャーの1975年から1980年代を描いています。
FBIの情報提供者となり、ライバルであるイタリア系マフィアの情報を流すことでシマを広げ、情報提供者としての立場を利用して次々と犯罪を重ねます。そんなジェームズの弟ウィリアム・バルジャーはマサチューセッツ州上院議長まで務めました。

ジェームズ・バルジャーにジョニー・デップ、禿げ頭に目の色と人相をすっかり変えての熱演。
弟ウィリアム・バルジャーにベネディクト・カンバーバッチ、本人に似せてメイクなどで恰幅よくなっています。予想していた通り出番少なめ(ノ_<)
FBIのジョン・コノリーにジョエル・エドガートン、胡散臭い役が似合うんですよね。
他にケヴィン・ベーコンダコタ・ジョンソンピーター・サースガードジュノー・テンプル、ジュリアンヌ・ニコルソンなど。
監督は『クレイジー・ハート』『ファーナス/訣別の朝』のスコット・クーパー

実在するギャングの兄に政治家の弟、FBIとギャングの癒着と話題性たっぷりの題材。
の割に~なんだか盛り上がらない。
黒ミサという原題からもジェームズ・バルジャーの悪のカリスマ性を描きたかったはずだけれど、実録に拘ったのか、スコット・クーパー監督の抑えた演出で、どうも地味。
極悪非道なバルジャーが、家族や年寄りには優しいという対比で”悪のカリスマ”を際立たせるのも中途半端だし、FBIを利用してのし上がっていく過程もよく分からず。
ジョニー・デップも周りのキャラも抑制をきかせた演技で、目立つ見せ場がないというか、そんな中でジョエル・エドガートン演ずるコノリーの愚かさだけが際立ってしまった気が。
ミスティック・リバー』の様に、抑制が効いていても強烈な後味の悪さが残る、そんな映画になれば良かったのだけれど、なんとも印象が薄くなってしまった気がします。
もしくは『ブリッジ・オブ・スパイ』の様に、ハッタリを利かすくらいにエンタメにしてしまうとか。
キャストと演技の良さを活かしきれていないような、どうももうひとつ入り込めない作品でした。

あと、映画の最中に出たり入ったり、携帯をつけたり消したりをしているおっさんが近くに居たせいもあるかも(-_-#)
大阪はマナー悪いって聞きますけど、困ります!(♯`∧´)