『思秋期』『愛、アムール』


見てみると意外に良かった作品と、想像通りキツかった作品(;-_-) =3 フゥ


思秋期

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TYRANNOSAUR  2010年英 98分

あらすじ:
妻に先立たれた失業中の中年男ジョセフは衝動的な怒りを抑えられず、酒を飲んではところ構わず大暴れする自暴自棄な毎日を送っていた。そんなある日、ひょんなことからチャリティ・ショップで働く女性ハンナと出会う。明るく優しい彼女は、誰からも相手にされないジョセフに対しても身構えることなく自然に接し、いつしか彼の凝り固まった心をほぐしていく。ところがそんなハンナにも、人には言えないある暗い秘密があったのだが…。(allcinemaより)



第27回サンダンス映画祭外国映画部門監督賞 受賞作品。英国系の賞を多数受賞。
第24回東京国際映画祭で上映。

自分の感情を抑えられず、大切な飼い犬まで八つ当たりで蹴り殺してしまう男ジョセフ。親切にしてくれた女性ハンナにも暴言を吐いてしまう。一方ハンナはDVに苦しんでいた。2人は次第に心を通わせていく。

ジョセフに『戦火の馬』のピーター・ミュラン、ハンナにオリヴィア・コールマンエディ・マーサンなど。
監督は俳優でもあるパディ・コンシダイン

暴力の衝動を抑えられず愛犬は殺してしまうし、親切にしてくれる人には恩を仇で返す様な真似はするしで、最初はどうしようもない男だと思っていたジョセフが、実は根っこには優しいところもあることがわかってきます。逆に、包容力がある様に見えたハンナは、内面に大きな闇を抱えていて、夫のエディ・マーサンのゲスっぷりに嫌悪感を覚えます。
すがる人が居ない者どおし距離が縮まっていき、ホッとした様な気持ちになっていたところにショッキングな事が。それでも最後は穏やかに締めくくられるので安心するし、ちょっと心に残る映画でした。
監督のパディ・コンシダインアスペルガー症候群だそうで、ジョセフの憤りに彼の体験が反映されているのかも。






愛、アムール

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AMOUR/LOVE  2012年仏/独/オーストリア 127分

あらすじ:
パリの高級アパルトマンで悠々自適の老後を送る音楽家の夫婦、ジョルジュとアンヌ。ところがある朝、アンヌが突然の発作に見舞われ、夫婦の穏やかな日々は終わりを迎える。検査の結果、病気が発覚したアンヌは手術の失敗で半身に麻痺が残る事態に。“二度と病院には戻りたくない”とのアンヌの願いを聞き入れ、ジョルジュは自宅での介護を決意する。自らも老いた身でありながら、これまで通りの生活を貫こうとする妻を献身的に支えていくジョルジュだったが…。(allcinemaより)


アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・主演女優賞ノミネート、外国映画賞受賞。
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品。

ミヒャエル・ハネケ監督作ってだけでもハードルが高いのに、老いと死がテーマですからね~。自分の年齢になってくると他人事とは思えません!(;-_-) =3 フゥ

妻アンヌにエマニュエル・リヴァ、夫ジョルジュに『男と女』のジャン=ルイ・トランティニャン、2人の娘にイザベラ・ユペール

どんなにインテリな方にも老いは同じようにやってきて、聡明だった人が信じられない変貌を遂げる。愛し合った夫婦だっただけに現実が受け止められず、妻の願いを聞き入れ、娘も避けるようになり、どんどん孤立していく様子をしっかり描いているので、見ているのが辛い。
冒頭で結末はわかっていて、どうしてこうなったのかが描かれていくのも辛い。
リアルな演技だけに余計身につまされる作品でした。