『はじまりへの旅』 家族の絆


2週間ほど行きそびれていたのを、最後の上映に滑り込んで観ました。

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CAPTAIN FANTASTIC 2016年 119分

あらすじ:
アメリカ北西部の山奥にこもり、大自然の中で自給自足のサバイバル生活を送るベン・キャッシュと6人の子どもたち。文明社会とは距離を置き、学校すら行かない子どもたちだったが、ノーム・チョムスキーを信奉する父親自らの型破りな熱血指導により、文字通り文武両道の優れた能力を身につけていた。そんなある日、数年前から入院生活を送っていた母親レスリーの訃報が届く。レスリーの家族と折り合いが悪いベンだったが、彼女の葬儀に出席するため、子どもたちちともに2400km離れたニューメキシコへ向け自家用バスを走らせる。そんな一家の最終目的は、仏教徒だったレスリーを葬儀の行われる教会から救い出し、彼女の最期の願いを叶えることだったが…。(allcinemaより)



サンダンス映画祭で最初に公開された、家族ドラマ。
資本主義の物質社会生活に幻滅したベンは、6人の子供達と一緒に森で自給自足生活を送っていたが、妻の葬儀に出席するため、子供達と共に森を出て自家用バスで妻の実家へと向かう。初めて森の外へ出た子供達は・・・・・。

ヴィゴ主演のロードムービーくらいの前情報しか知らずに観たので、森での狩のシーンで始まったのにびっくり。
森で子供達と暮らしているのに『モスキート・コースト』を少し思い出しましたが、あの時のハリソン・フォードみたいな極端な感じでは無く、子供達にサバイバル生活を教え鍛えながらも勉強や音楽も教え、社会の悪い面から隔離したバランスの良い生活にも思えます。

父親ベンにヴィゴ・モーテンセン、強い信念を持ちながらも子供達を愛していて、激しさと脆さを秘めた役でアカデミー賞主演男優賞ノミネート。
長兄ジョージ・マッケイほか、サマンサ・イズラー、アナリース・バッソ、ニコラス・ハミルトン、シェリー・クルックス、チャーリー・ショットウェルら6人の子供達も個性的で可愛い。妻レスリートリン・ミラー、妻の父にフランク・ランジェラ、母にアン・ダウド、ほかキャスリン・ハーン、スティーヴ・ザーンなど。
監督はマット・ロス

本格的なサバイバル生活と子供達の能力に驚く前半。
森の中で家族仲良く何不自由ない生活を送っているかに思えたけれど、妻の死によって子供達との関係にも変化が。
義理の父と対立する中、成長する子供達に対して、このままの生活で良いのか悩むベン。
家族の絆がメインに描かれていますが、文明(?)生活と自然の中での暮らしはどちらが良いのか、教育とは何かなど、観ながら考えさせられるお話でした。
登場人物はみんな愛情に溢れているのも良かった。
ロードムービーぽさはあまり無く、家族の映画でしたね。