無表情の熱演 『ノーカントリー』

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本年のアカデミー賞で4部門、作品賞・監督賞・脚色賞・助演男優賞を獲得しましたね。

やっと見ることが出来ました。


 ノーカントリー  NO COUNTRY FOR OLD MEN  2007年

あらすじ: 狩りをしていたルウェリン(ジョシュ・ブローリン)は、死体の山に囲まれた大量のヘロインと200万ドルの大金を発見する。危険なにおいを感じ取りながらも金を持ち去った彼は、謎の殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)に追われることになる。事態を察知した保安官ベル(トミー・リー・ジョーンズ)は、2人の行方を追い始めるが……。(シネマトゥデイ

詳細はこちらから http://www.nocountry.jp/


原題は、「NO COUNTRY FOR OLD MEN」。

「老人のための国ではない」でしょうか。


癖のある南部なまりでのトミー・リー・ジョーンズの語りから始まります。

最近の犯罪は理解できない。理解できない何かに会いたくない。


全く同感です。 世界でも、日本でも。


冒頭の殺人からリアルで、

もがき苦しんだ保安官助手の靴の跡が、何本も床に残っています。

すぐ音がないことに気づきます。

BGMがほとんどありません。

否応もなく集中します。

南部の主に砂漠の田舎で、淡々と出会った人を殺していくシガー。

彼は彼なりの、誰も理解できないルールに従って、殺人を行います。

欲に眼がくらみ、それでも、ほんのちょっと仏心を出した為にシガーに追われるルウェリン。

普通の人が、ささいなことから犯罪に手を染めてしまうのは、

コーエン兄弟の大好きなテーマですよね。

そして、個性的なキャラと対比するように、淡々と物語が進むのもいつもどおり。

派手な脚色がないリアルさに圧倒されます。


保安官ベルのとぼけた感じが、良い息抜きになります。

そんな彼でも消化しきれないシュガーの存在は、

意外なラストへと。


やはり、神はいるのでしょうか?


ってなことを、思わず考えてしまう映画でした。