情けは人の為ならず 『ミケランジェロの暗号』

 
ヒトラーの贋札』のスタッフが映画化ということで、
 
語呂合わせでこの邦題なんでしょうか?
 
暗号は特に出て来ませんけどね~(・_・;)
 
 
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    MEIN BESTER FEIND/MY BEST ENEMY    
2010年オーストリア 106分
 
あらすじ:1938年オーストリアのウィーン。画廊を営むユダヤ人一族のカウフマン家は、ムッソリーニも欲しがるという国宝級の逸品、ミケランジェロの素描を隠し持っていた。ある日、息子のヴィクトルは、兄弟同然に育った使用人の息子ルディと久々の再会を果した際、その絵の隠し場所を教えてしまう。しかし、ナチスに傾倒していたルディは、昇進を狙ってそのことを密告、追い詰められた一家は、スイスへの亡命を条件に絵の引き渡しに合意するのだったが…。                                               (allcinemaより)
 
 
オーストリアを舞台に、裕福なユダヤ人画商一家が隠し持っていた「ミケランジェロの素描」が、
 
ユダヤ人一家の生死も、ナチス青年ルディの人生も、ナチス・ドイツの命運も握るというお話。
 
ミケランジェロの素描」を探しだすというストーリーからサスペンスとなっていますが、
 
ドラマの印象が深いですね。
 
 
ユダヤ人青年ヴィクトルは、家族のように思っていた使用人の息子ルディに酔った勢いで絵を見せてしまう。
 
ナチスの一員となったルディは、昇進の為にこの絵のことを上に報告し、
 
カウフマン一家は亡命を条件に絵を渡すのだが、裏切られ収容所へと送られる。
 
その絵をダシにイタリアとの同盟を結ぼうと考えていたドイツは、絵が偽物であることがわかり、
 
ルディにヴィクトルを尋問させるのだが、本物の絵の隠し場所は父親しか知らず、父親はすでに他界。
 
ヴィクトルは絵と引き換えに母の命を助けようとするのだが・・・・・。
 
 
人って、裕福だと寛大になれるんでしょうか?
 
カウフマン一家の父親は、財を築いただけあって賢い人で、ルディの裏切りも予想してましたが、
 
母親とヴィクトルは信じ切っていましたね。
 
家族同様に扱ってきたつもりでも、それはあくまで上からの目線。
 
ルディにしてみれば劣等感は常にあり、立場が逆転できる機会を掴んだってことですね。
 
亡命の前に財産をヴィクトルの婚約者に譲渡しちゃうし(・。・;
 
見てるこちらは、あ~、どうせまた裏切られるのに~!と(-_-;)
 
連行途中の事故で怪我をしたルディをヴィクトルが助けるシーンも(このシーンから映画は始まります^^;)
 
あ~、助けずに逃げちゃえば良いのに~!と(^_^;)
 
どうしてそんなにお人好しなの~とハラハラしながら見てると、
 
意外な展開で二転三転、アッと言わせてくれます!
 
 
キャストは、『ソウル・キッチン』のモーリッツ・ブライブトロイ以外はあまりなじみが無いですね。
 
監督はヴォルフガング・ムルンベルガー
 
脚本は自身の実体験を基に執筆したポール・ヘンゲ
 
 
絵のありかは途中で察しがつきますが、種明かしがどうなるのかと最後まで楽しませてくれます。
 
機転を利かせてナチスを出し抜こうとする賭けと、
 
人間心理を描いたドラマも楽しめるエンタメになってます。